河野完勝V2 興毅には「お疲れさま」
「ボクシング・WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(16日、シカゴ)
米国では初となった日本選手同士のボクシング世界戦が米イリノイ州シカゴのUICパビリオンで行われ、王者・河野公平(34)が、元世界3階級王者で同級2位の亀田興毅(28)を3-0の判定で下し、2度目の防衛に成功した。
最終回が終わった瞬間、河野は両拳を天に突き上げた。判定にはなったものの、内容的には完勝で、2度目の防衛に成功した。「勝って良かった」。安どの笑みが広がった。
5月に負傷し、約1年、実戦から遠ざかっていた。2回に受けたボディーについては「効いた、やべっ…と思った」。その直後に片膝をついたが、レフェリーはローブローと判断。ダウンにはならず「あそこが分かれ目でした」。逆にゴング直前にカウンターの右ストレートでダウンを奪い、勢いづいた。
応援に駆けつけた芽衣夫人と両親が見守る中、中盤以降のラッシュは圧巻だった。「これで死んでもしょうがない、人生懸けて絶対に勝ってやる、と思っていきました」と振り返る。「アウトボクシングしてくると思っていたんですけど、打ち合ってきた。僕をなめてるんだなって」と闘志を奮い立たせた。
最後に、亀田の試合後の引退表明を伝え聞くと、しみじみ言った。「彼も崖っぷちだったと思う。試合前もすごい盛り上げていた。ここまで(挑発で)言うのかって。でも、いい人なのかなとも感じていた。お疲れさま、と言いたいです」。好ファイトの充実感に浸りつつ、相手への感謝の気持ちも偽りのない本心だった。
