52歳山本美憂、衝撃3回TKOで涙のボクシング初勝利「KIDに自慢する」元世界王者・長谷川穂積会長は地域王座挑戦も視野「素質めちゃくちゃある」
「ボクシング・4回戦」(15日、後楽園ホール)
元レスリング世界女王で元総合格闘家の山本美憂(52)が衝撃的なプロボクシング初勝利を挙げた。国内デビューとなるプロ2戦目のフライ級4回戦で田口智香(33)=花形=と対戦し、3回1分51秒TKOで初勝利。勝利者インタビューでは涙を浮かべながら「夢のようです。たくさんの人が動いてくれてリングに立つことができました。(練習をサポートする)長谷川穂積さんが私を信じてくれて、チームが毎日支えてくれました」と感謝を込め、「(今後は)ずっとボクシングです」と競技継続に意欲を燃やした。
山本はカナダ国籍で国内ジムには所属しておらず外国選手扱いでの出場となったが、日本ボクシングコミッション(JBC)が統括する国内の公式戦では史上最年長となる52歳42日での出場となった。2018年9月に死去した弟の山本“KID”德郁さんの写真がプリントされたシャツを羽織って入場し、1回はなかなか手を出せなかったが、2回から徐々に相手を捉えると、3回、強烈な左のオーバーハンドでダウンを奪取。さらに、立ってきた相手にパンチをまとめてレフェリーストップとなり、元レスリング女王の衝撃のTKO勝ちに会場は騒然となった。
MMAも含めてキャリア初のKO勝ちとなったが、「スパーでもそうだが、ダウンを取ったパンチとか全然覚えてない」と目を丸くした。52歳の新米プロボクサーとして第一歩を踏み出し「KIDができなかったことをやったので自慢します」と笑い、「ここからがスタート。ずっとボクシングが好きだったので、まさか自分ができるとは思わなかった。(課題は)全部。今日はスローモーションのような試合だったので、これからはワンパンチじゃない試合をしたい。(目標は)チームとして行けるところまで行きます」と意欲を燃やした。
今回の国内デビュー戦に向けては、約半年前から元世界3階級制覇王者の長谷川穂積氏(45)が会長を務める神戸市内のジムで練習を積んできた。セコンドにもついて初勝利をアシストした長谷川会長は「(山本はボクシングの)素質はめちゃくちゃあるが、年齢とも戦わないといけない。僕らも52歳で試合をしたことがないので未知だが、今日は結果を出してくれてホッとしてます」と安どした様子。今後、地域タイトルなどへの挑戦の可能性について「そこを目指したい。記念でやる必要はない。やるならトレーニングの段階から(タイトルを)狙ってやる。それじゃないとボクシングに失礼」と力を込めた。
◆山本美憂(やまもと・みゅう)1974年8月4日、神奈川県川崎市出身。ミュンヘン五輪代表の父・郁栄さんのもとで幼少期からレスリングに取り組み、13歳で全日本選手権を制するなど、女子の黎明期から第一人者として活躍。17歳で初出場した世界選手権で優勝するなど3度世界一に輝いたが、2004年アテネ五輪から女子レスリングが採用された五輪への出場はかなわなかった。16年に総合格闘技選手としてデビューし、23年に引退。弟は元プロ格闘家の故・山本“KID”德郁さん。156センチ。