【長谷川穂積の拳心論】勝負を分けたのは前半 井上尚弥VS中谷潤人はとてつもない夢を残した
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(2日、東京ドーム)
4団体統一王者の井上尚弥(33)=大橋=が3-0の判定でWBA・WBC・WBO同級1位の中谷潤人(28)=M・T=を下し、4本のベルトを守った。無傷の33連勝を飾るとともに世界戦は28連勝。初黒星を喫した中谷は、日本男子4人目となる4階級制覇はならなかった。超満員の東京ドームで最強の座を懸けた世紀の一戦を、デイリースポーツ評論家で世界3階級王者の長谷川穂積氏(45)が解説する。
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4ポイント差が2人、2ポイント差が1人。僕の採点も同じく中差で尚弥選手の勝利です。勝負を分けたのは尚弥選手が前半に自分から仕掛けていったこと。それが結果的にポイントにもつながりました。中谷選手は出ていくのが少し遅かった。もう少し早いラウンドで仕掛けていれば、いいパンチを入れていただけにチャンスが広がっていたはずです。あと、目のアクシデントも不運でした。
この試合、どちらにボクシングの神様がほほ笑むのかと思っていたら、結果、どちらの選手にもほほ笑んだと感じています。その上でより多くほほ笑んだのが尚弥選手でした。
今回の敗戦で中谷選手の価値は1ミリも落ちていません。誰が見ても、中谷選手のファイトは素晴らしかったし、敗北の経験は必ず今後に生きます。
超満員の東京ドームで日本選手によるボクシングが行われる。これは尚弥選手、中谷選手の2人がいたから実現したこと。次の機会を実現するのは簡単なことではありませんが、日本ボクシング界にとてつもない夢を残した一日でした。
