中谷潤人 Sバンタムデビュー戦は苦しんで判定勝ち デビューから32連勝 ビッグマッチ実現へ前進
「ボクシング・12回戦」(27日、リヤド)
前WBC・IBF世界バンタム級王者の中谷潤人(27)=M・T=が、スーパーバンタム級転向初戦でWBC世界同級9位のセバスチャン・ヘルナンデス(25)=メキシコ=に苦しみながらも3-0(115-113×2、118-110)で判定勝ち。4階級制覇を掲げるスーパーバンタム級でのビッグマッチ実現へ前進した。IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチに臨む予定だった元世界2階級制覇王者の寺地拳四朗(33)=BMB=は、王者ウィリバルド・ガルシア(36)=メキシコ=の体調不良のため中止となった。
未知なる階級の初陣を苦しみながらも飾った。スーパーバンタム級転向初戦の中谷は右目を大きく腫らしながら勝者のコールを受けた。「ヘルナンデス選手とても強かったです。とてもタフな試合で、いい経験になりました」と苦戦を振り返った。
計量をパスした後に「試合が待ち遠しく、いいパフォーマンスができる感覚がすごくある。(愛称の)ビッグバンがさく裂すると思う」と予告していたように、序盤は抜群の動きを披露。巧みな右リードで試合を支配して、左右のアッパーを繰り出した。
しかしバンタム級までのようにパンチを当てても、相手がひるまない。20勝(18KO)の強打者ヘルナンデスは被弾しながらも前進を止めず、手数で応戦。「パンチ力のある選手なので、集中した戦いになる。スーパーバンタム級でもいいパフォーマンスができるんだぞというところを発揮したい」と話していたが、初見参のサウジアラビアで後半は相手の猛攻を浴びた。
3階級制覇後、今年6月にIBF世界バンタム級王者・西田凌佑(六島)との2団体統一戦に勝利してバンタム級を卒業。9月に防衛に成功した4団体統一世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(大橋)からは「あと1勝。12月にお互い頑張って、来年東京ドームで盛り上げましょう」とリング上から呼びかけられ、これに拳を固めて笑顔で応えた。
これでデビューから32連勝(24KO)。パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングは自己最高の6位にまで上昇している。同級の主要4団体では全て最上位にランキングされ、メガマッチへの期待は高まる。
サウジアラビア入り後は、今大会の主催者でもある「リング誌」のポットキャスト番組で尚弥との緊急対談が組まれた。中谷は「もちろん世界王者を目指して階級を上げた。そのチャンスをいただけるならしっかり仕上げます」と次戦を見据えた。
◇中谷潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県東員町出身。中学卒業後に単身渡米し、武者修行を経て、2015年4月にM・Tジムからプロデビュー。20年11月にWBO世界フライ級王座を獲得した。23年5月にWBOスーパーフライ級王座、24年2月にWBCバンタム級王座に就き、3階級制覇。身長172センチ、左ボクサーファイター。
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