世界戦相手変更で動揺→興奮「俺ドネアとやるの?」WBA王者の堤聖也、5階級制覇レジェンド王者と12・17激突「負け許されない半面、怖さも」
ボクシングWBA世界バンタム級王者の堤聖也(29)=角海老宝石=が12月17日に東京・両国国技館で、同級暫定王者ノニト・ドネア(42)と団体内統一戦を行うことが6日、主催者の帝拳から発表された。
堤は2月に初防衛後、目の手術を受けて休養王者扱いとなり、正規王者だったアントニオ・バルガス(29)=米国=と対戦予定だったが、バルガスがしばらく試合から遠ざかるため変更となり、急きょ世界5階級制覇王者との激突が決定。「急に対戦相手が代わって動揺もあったが、誰もが知るレジェンドと戦えるのはとても光栄。ドネアは身体的にも衰えは出ていると思うが、それでも『やっぱりドネアはドネアだな』という印象を持っている。世間が思っている以上にかなりハードな試合(になるし)、すごく仕上げてくると思うので、いつも通り全力を尽くして勝ちたい」と決意を込めた。
ドネアは今年6月に2年ぶりの再起戦として世界タイトルマッチを行い、WBA世界同級暫定王座を獲得していた。
バルガス戦に向けて準備をしていた堤は、試合まで2カ月を切った最近になって対戦相手変更を知ったものの、すぐには実感が湧かなかったという。「練習中にちょっと…って呼ばれて聞いたが、まずバルガスとタイプも体格も全然違うのでイメージしていたことが全部変わっちゃったのと、『俺、本当にドネアとやるの?』と興奮して、(師事する)石原トレーナーと2人で『えっ…えっ…』となりながらソワソワして、『今日ちょっと(練習内容が)良くないね』と、浮き足立つような感じだった」と、練習に身が入らないほどの興奮状態だったことを振り返った。
誰もが知るビッグネームは今月43歳となる。堤は「ノニト・ドネアというネームバリューは本当にすごい。偉大なチャンピオンと世界タイトルという場で拳を交えられるのはうれしいこと」とうなずきつつ、「立場としては絶対に僕が勝たないといけない。今のドネアに負けることは許されないという気持ちの半面、やっぱり怖いなという気持ちもあり、いろんな感情が混ざっている状態。尊敬できるボクサーに勝って、自分に少しでも自信をつけたい。簡単に勝てる相手ではないとイメージはできている。しっかり気持ちを強く持って、自分のボクシングを遂行できるように。面白い試合をしたい」と心境を明かした。
また、この大一番に勝った場合の今後の展望として、今月24日に行われる那須川天心(帝拳)と井上拓真(大橋)によるWBC同級王座決定戦の勝者や、WBO同級王者クリスチャン・メディナ(メキシコ)との統一戦に意欲。さらに続けて、「スーパーフライ級からレジェンドがバンタム級に上げてきたので、統一戦ができないなら是非そこの挑戦も受けたい」と、元世界4階級制覇王者の井岡一翔(志成)との対戦にも興味を示した。「ここ(ドネア戦)に勝てば、たくさん夢が広がる。そこをつかむためにも全力をぶつけて勝ちたい」と意欲を燃やした。





