ボクシング 豊嶋亮太がアジア2冠 リング禍で死去の同門・浦川大将さんに捧げる勝利「ずっと一緒に練習していた、届けたかった」
「ボクシング・日本スーパーウエルター級タイトルマッチ&WBOアジアパシフィック同級王座決定戦」(4日、後楽園ホール)
日本王者の豊嶋亮太(29)=帝拳=が、同級3位の安達陸虎(27)=大橋=に3-0で判定勝ちし、2冠王者に輝いた。ウエルター級時代もアジア地域タイトル3冠を達成しており、2階級での2団体制覇となった。
豊嶋は、打たれても打たれても前に出てくる挑戦者に応戦。終盤は足も使いながらジャブを効果的に突き刺し、アッパーで何度も相手の頭をはね上げた。激戦ながらも試合を支配して大差判定勝ちし、2冠を戴冠。「安達選手の気持ちに乗せられたが、(終盤は)足を使えると思い出して、カウンターが出せた」と振り返り、「安達選手(のように)強い選手がいるので、もっと気を引き締めないといけない。今、ボクシング界も色々あって、その中でも対戦を受けていただいて敬意を表します。改めてありがとうございました」と頭を下げた。
この興行は当初9月6日に開催予定だったが、8月2日の興行で発生した試合中の事故で2選手が相次いで亡くなった影響で延期となっていた。同門の浦川大将さんもリング禍によって帰らぬ人となったが、豊嶋は試合後に自ら切り出し、「この試合が決まった時から、後輩の浦川もずっと一緒に練習をやってくれて、いつも『豊嶋さん、強いっす』と言ってくれていた。今日ちゃんと勝たないと、アイツに『豊嶋さん、いつものを見せてください』と言われると思って、それも一つ(勝利を)届けたかった(理由)。とりあえず勝ててよかった」と、秘めていた思いを明かした。





