高見亨介 プロ10戦目23歳世界初挑戦で奪取!2階級制覇の王者ロサに10回TKO勝ち 「めちゃくちゃうれしい」
「ボクシング・WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ」(30日、横浜BUNTAI)
WBA世界ライトフライ級タイトルマッチで世界初挑戦の同級1位、高見亨介(23)=帝拳=が王者のエリック・ロサ(ドミニカ共和国)に10回TKO勝ちし、プロ10戦目で世界王者に輝いた。序盤から的確なボディー攻撃で主導権を握ると10回にダウンを奪い、その後にレフェリーが試合を止めた。
“帝拳の秘密兵器”はチャンピオンベルトを肩にかけ、両拳を天に突き上げた。高見が世界初挑戦でTKO勝ち。世界2階級制覇のロサから王座を奪取した。プロ10戦目の異例の早さで世界王者の座につき「めちゃくちゃうれしい」とスポットライトの下で白い歯を輝かせた。
ボディーへの攻撃が効いた。2回でボディーから左フックのカウンターを決め勢いは加速。10回には右フックでダウンを奪う。ロサも負けじと立ち上がったが、再びスリップダウン。そこをレフェリーが止め勝利が決まると、高見はコーナーに登り雄たけびを上げた。
毎回のラスト10秒が高見の勝負どころだ。畳みかけるように連打を繰り出し、コーナーにロサを追い詰める。若武者はその度にニヤリと笑う。「自分の得意なパターン。練習でもラスト10秒はヤマ場を作ろうと」。大舞台でも、攻撃の手は一切止まらなかった。
6歳からキックボクシングを始め、同門となった那須川天心とも幼少期からの顔見知りだった。22年4月のデビュー以来、無敗の9連勝で世界初挑戦にこぎつけると、チャンピオンになる夢を実現。試合直後は「本当になったんだと…」とまだ夢見心地だった。
大物感がぬぐえない23歳だ。本田会長には「うちで一番生意気」と言われるほどで、試合前、ロサには「6回で倒す」と大胆宣言。会見でもマイクを握れば「一番最年少の自分が(王者に)なれた。ジムの先輩にデカい顔してやろうかな。うそです、冗談です」と高見節をさく裂させた。
ただ、昨年3月に20歳で亡くなった日本ユースライトフライ級王者・坂間叶夢さんへの思いは特別だった。トランクスには赤い糸で「叶夢」と刺しゅう。「自分が兄貴分として良い顔できるかな」。弟分への思いをリングで体現した。
次の目標には「複数階級に向けてしっかり進んでいきたい」としつつも「野望を言うと会長に『修羅の道を行け』と言われそうなので今は伏せたい」と、ここでも“生意気”っぷりを発揮。威風堂々とした王者の風格を身にまとい、さらなる境地を目指す。
◇高見 亨介(たかみ・きょうすけ)2002年4月5日生まれ。東京都出身。19年に目黒日大高で全国高校総体ライトフライ級優勝。アマチュア戦績は43勝4敗。22年7月プロデビュー。25年4月に日本ライトフライ級王座獲得。右ボクサーファイター。





