８日に開催されたボクシングのＷＢＣ・ＩＢＦ世界バンタム級王座統一戦を制し、２団体統一王者に輝いた中谷潤人（２７）＝Ｍ・Ｔ＝が９日、都内で一夜明け会見に出席した。次戦について明言しなかったが、来春計画されている４団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥（３２）＝大橋＝戦を見据え、早期に階級を上げる可能性も高く、対戦相手には５月に井上と戦ったＷＢＡ１位ラモン・カルデナス（２９）＝米国＝も浮上。また、中谷に６回終了ＴＫＯ負けを喫した前ＩＢＦ王者・西田凌佑（２８）＝六島、世界前哨戦を制したＷＢＣバンタム級１位・那須川天心（２６）＝帝拳＝も会見した。

　戦慄（せんりつ）のビッグバンさく裂から一夜、２本のベルトを携えた中谷は「素直にうれしい。たくさん練習を積んできたので結果になって良かった」と安堵（あんど）の笑みを浮かべた。

　初の統一戦は１回から猛攻を仕掛けて西田の右肩を破壊し、６回終了ＴＫＯ勝利を飾った。リングサイドで観戦した尚弥が自身のＸで「スーパーバンタム級戦線へようこそ　こんな強い日本人がいたらワクワクしちゃうよな」と反応したが、中谷も「僕も井上選手が強いのでワクワクする」と呼応。来春に向けても「統一戦という新しい経験をさせてもらい自信もついたし、ベルトも含めて箔（はく）が付いたかな」と胸を張った。

　大一番を無傷で終え、今後について「いろんな選択肢はあるが（ベルト返上で）スーパーバンタム級に行くことも大きく思っている。（バンタム級はもう）いいかなって感じは多少ある」と早期転向も示唆。次戦でスーパーバンタム級に上げて実戦を積む場合について、プロモートする帝拳ジムの本田明彦会長（７７）は「（世界）ランキング上位の選手とやらせたい」と明かし、５月に米ラスベガスで尚弥に８回ＴＫＯ負けしたカルデナス（米国）についても「可能性はある」と語った。

　バンタム級で５連続ＫＯと破壊力を増したビッグバンは、モンスターが住む階級に向けて「よりスピードもパワーも上がる。筋肉量も落とさずに減量できる」と、さらなる進化に手応えを示した。