ボクシング 長谷川穂積氏「中谷選手はまだまだ伸びしろがある」「さらに強く、進化していることを証明した」

 「ボクシング・WBC&IBF世界バンタム級王座統一戦」(8日、有明コロシアム)

 ボクシングのWBC&IBF世界バンタム級王座統一戦が行われ、WBC王者の中谷潤人(M・T)がTKO勝ち、2団体の王座を統一した。序盤から積極的な攻撃を仕掛け、6回終了後にIBF王者の西田凌佑(六島)が右肩を脱臼したため続行不可能となり棄権した。また、那須川天心(帝拳)はバンタム級10回戦で、ビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)に3-0で大差の判定勝ち。デイリースポーツ評論家・長谷川穂積氏が、この2試合の戦いを分析した。

  ◇  ◇   

 中谷潤人選手が1ラウンドからいきなりアグレッシブに攻めていったのは、相手を圧倒してやろうという意図があったと思う。もちろん、西田凌佑選手もしっかりと対策を立てていて、ガードもかなり堅かったし、何よりも気持ちが入っていたのが大きい。まだ試合の出だしで体力もあったので、中谷選手の攻撃に耐えることができた。

 中谷選手はちょっと力が入り過ぎかなというシーンもあったが、6ラウンドまで積極的にパンチを繰り出していた。西田選手の右目がかなり腫れてきていたこともあり、勝負どころをきちんと理解してペースを落とさずに攻め切った。自分に自信があるから、しっかり仕留めることができる。最後は西田選手の右肩脱臼によるストップという結果とはいえ、手数、テンポ、タイミング、パンチ力という点で中谷選手が一枚上手だった。ただ、中谷選手の積極的な攻めを引き出した西田選手の健闘もあって、本当に面白い試合だった。中谷選手はまだまだ伸びしろがあるし、きょうの試合でさらに強く、進化していることを証明した。

 那須川天心選手もいい試合内容だった。サイドの動き、ジャブ、コンビーション、上下の打ち分けが良かったし、着実に成長している。あとは倒すコツをつかむことが課題。これを自分のモノにするには、もう少し時間がかかると思う。

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