右肩脱臼TKO負け西田凌佑、進退は保留「完敗、何も言い訳ない」陣営は中谷の執念に脱帽「肩ばかり見ていたと…我々は甘かったかも」
8日に行われたボクシングWBC&IBF世界バンタム級王座統一戦で、WBC王者の中谷潤人(28)=M・T=に6回終了TKO負けを喫し、陥落した前IBF王者の西田凌佑(28)=六島=が9日、都内で一夜明け会見に出席した。
右肩の脱臼のため棄権となり試合後は病院直行していたが、この日は右腕を三角巾でつるして固定し、サングラスで傷を隠した痛々しい姿で登壇。「完敗やなと思ってます。肩をやられるのも中谷選手の強さだと思うので、やられたなと。何も言い訳がない」と潔く認め、「(中谷は)勝つって気持ちが本当に強い選手だと思った。自分よりもそこは上回っていたのかな」と語った。
試合は1回からいきなり中谷が前に出て強打を振り回し、フック、右アッパーの連打などを繰り出した。西田も鉄壁のディフェンスで応戦し、3、4回は取るなど健闘したが、5回には西田の右目が大きく腫れ、6回終了時には右肩の脱臼でストップとなった。
右肩について西田は「どのタイミングで痛めたのかは全然分からないが、たぶん3、4ラウンドくらいで痛めていたのかなと思う」と振り返った。中谷は、肩を気にするそぶりを見せた相手に対し、強打で腕をつぶしにいく非情ファイトを仕掛けたことを明かしているが、西田は「脳のダメージで効いたパンチはなかったが、やっぱガードの上から腕を打つとか、そういうのでやられた」と無念の表情。陣営の六島ジム・枝川孝会長は「西田は(中谷が)肩ばっかり見ていたと言っていた。そういう作戦があるなら、これから肩パンチ(対策)も鍛えなあかんのかなと。それくらい中谷チャンピオンが勝つという執念を燃やしていたんだろうなと。ちょっと我々は甘かったのかもわからない」と振り返った。
プロ11戦目となったビッグマッチで初黒星を喫し、進退については明言しなかったが、枝川会長はスーパーバンタム級への転向の可能性も示唆した。