井上尚弥「中盤でのKOが一番いい」 世界戦最多KO記録更新を予告 挑戦者カルデナスに笑って忠告「挑発しないでね」
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(4日、ラスベガス)
ボクシングの4団体統一世界スーパーバンタム級王者、井上尚弥(32)=大橋=が2日(日本時間3日)、WBA同級1位ラモン・カルデナス(米国)との防衛戦を前に、試合会場近くのMGMグランドで行われた公式会見に出席した。4年ぶりのラスベガスでの一戦に向けて「しっかりボクシングを見せた上で、中盤でのKOが一番いい形の終わらせ方」と予告。また、KO勝ちすれば世界戦で23KO勝利となるが、伝説の米国ボクサー、元WBA世界ヘビー級王者のジョー・ルイスの22を超える世界最多記録に王手をかけており、聖地での偉業達成にも注目が集まる。
本場のメインイベンターとしてやるべきことはわかっている。尚弥は「日本で見せているパフォーマンスを米国のお客さんの前でお届けしたい」と、鮮烈なKO劇に使命感を燃やした。きらびやかなラスベガスの街中では、いたるところで『怪物』の漢字二文字とともに尚弥の巨大広告が表示されるなど、注目度が高まっている。「すごく期待値を感じる。だからモチベーションも高いし、それだけの(面白い)試合をお届けしたい」と胸を高鳴らせた。
5月5日はスペイン語で「シンコ・デ・マヨ」と呼ばれるメキシコの祝日で、挑戦者はメキシコ系米国選手とあって「アウェーになるかも、と予想している」と明かした。また、司会者からは、1月24日の金芸俊(韓国)との防衛戦で、相手から「来い」というジェスチャーで挑発されたシーンについて聞かれ「ちょっとイラっとしたが、瞬時に(切り替えて)倒しにいった」と改めて述懐。その上で、今回は中盤でのKO勝利を思い描いているだけに、挑戦者カルデナスに「挑発しないでね」と笑って忠告した。
世界戦での最多KO記録にも王手がかかるものの「記録にこだわるわけではなく、この試合はKOで終わらせないといけないと自分の中で思っている。自分自身のために、そういった試合内容をつくっていきたい」と強調。世界に誇るKOアーティストは、目の前の相手、そして目の肥えたファンとの戦いに全神経を集中させる。




