一夜限り復帰の“天才”中西百重、若手をあえて叱咤「命懸けて戦って」 5月引退の高橋奈七永と最後のタッグでバチバチ激闘「20年ぶりの痛み感じた」

 「プロレス・マリーゴールド」(14日、新宿FACE)

 5月24日での現役引退を発表している高橋奈七永(46)の自主プロデュース興行「終わりよければすべてパッション」が行われた。オープニングでは全日本女子時代の盟友である中西百重(44)、納見佳容(48)、脇澤美穂(45)とのグループ「キッスの世界」を一夜限りで再結成し、2000年のデビューシングル曲「バクバクkiss」を披露。さらに、第2試合では一夜限りで復帰した中西との名タッグ“ナナモモ”を最後に組んで、山岡聖怜(18)&ビクトリア弓月(20)とタッグマッチを行い、15分時間切れドローの激闘を繰り広げた。

 2005年に引退し、以降はスポット的にマットに上がっていた元全女エースの“天才”が、1年8カ月ぶりのリングでバチバチの戦いを繰り広げた。中西はムーンサルト・アタックや打点の高いドロップキックなどスピーディーなムーブで魅了。さらに、レスリング出身の山岡に対しては執拗に抑え込みを狙うなど“全女仕込み”のファイトスタイルを押し出し、山岡も負けじとフォールを狙うなどヒートアップ。高速のジャーマンスープレックスを食らってグロッキー状態になる場面もあったが、盟友の奈七永との息の合ったタッグワークで若手2人に意地を見せつけ、ツープラトン技のナナモモダイオバーもたたき込んだ。

 バックステージで中西は「奈七永が(5・24で)やめるまで時間がない中で、奈七永以上のパッションを今の若手の誰が見せてくれるのか、親孝行できるのは誰だと。若手全員、配信を見ている選手、他団体の選手、なんなら先輩たちも含めて、みんなどんな気持ちで試合してるんだと(いう気持ちで上がった)。たまに出てきて偉そうなことは言えないが、一人一人が考えるべきなんじゃないか。会場が埋まるのは当たり前じゃない。お客さんのために、みんな命を懸けて戦ってもらいたい」と現在の女子プロレス界を想い、あえて叱咤。その上で「私はこの試合が決まって2カ月、大変な気持ちでトレーニングしてきたつもり。それを(試合を通して)伝えた。みんな頑張れよ、奈七永以上のパッションでよろしくなと。以上です」と熱を込めた。

 この日は娘世代の2人とバチバチの戦いを繰り広げたが、「うれしかった。すっごい思い切り来てくれたので。(20年前の引退以降)数回リングに上がっているが、(プロレスは)あ~、この痛みだと。引退して20年たって、20年ぶりの痛みを正直初めて感じました。こんなに脳みそに響くんだと。最後のナナモモだと感じる余裕がないくらい追い込まれた。逆に気持ちよかった。勝つとか負けるとかではなく、久々にこういう感情になった」と晴れやかにうなずいた。

 また、25年前につんく♂プロデュースでデビューした「キッスの世界」も一夜限定で再結成。MVでも着用していた当時の衣装を着てデビュー曲を歌いきった。中西は「あまり練習する時間がなかったが、意外と(4人)みんな久々のわりには体で覚えていたんじゃないかなってくらい(振り付けもできて)、同窓会的な感じですごくうれしかった」と感慨を込めた。

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