「ボクシング・１０回戦」（２４日、有明アリーナ）

　ＷＢＯアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心（２６）＝帝拳＝が、前ＷＢＯ世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー（３４）＝オーストラリア＝と対戦。壮絶な打ち合いの末に３－０（９７－９３、９８－９２、９７－９３）で判定勝ちした。敗れたモロニーは「今はとても落ち込んでいる。自分の中では接戦だと思っていたので、厳しい展開になり、負けたことは大変残念。いい時間帯もあったが、なかなかジャッジに魅力的な試合ができなかったかもしれない。このチャンスで勝てたはずなのに勝てなかったのは残念」と振り返り、「またチャンスがあるなら、那須川天心とのリマッチ、１１８ポンドで１２回をしたい」と再戦に意欲を示した。

　バンタム級（５３・５キロ）での世界前哨戦と銘打たれた試合だったが、前日の計量時、当初から１１９ポンド（約５３・９８キロ）契約だったことが明らかになっていた。

　モロニーは「あれだけ走り回られて、トリッキーな動きをされたのは戦略が効かなかった」と明かしつつ、「走り回るだけだった天心選手にポイントがいったラウンドがあったことは残念。距離を詰められなかった自分に敗因がある。もっとエキサイティングな試合をしたかった。あれだけ動かれてやりにくかった。自分の方がパンチを当てて効いていたと思う。自分にポイントがいかなかったラウンドがあれだけあったことは残念。自分の中では接戦という印象で、圧倒してポイントをとったラウンドもあったという印象だったが、１人のジャッジが９８－９２をつけていたのはアンフェアではないかなと」と、ジャッジに恨み節もにじませた。