那須川天心「この一戦で全て失うことも…」世界挑戦へ試金石、前世界王者モロニー戦へ覚悟 映像頼らずアドリブ戦法?「当日の僕に任せる」
「ボクシング・10回戦」(24日、有明アリーナ)
WBOアジアパシフィック同級王者の那須川天心(26)=帝拳=が12日、前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)戦に向けて都内で練習を公開した。世界挑戦を狙う上で試金石の一戦となるが、「前世界王者との試合が決まって世間的な反応もいい。ずっと、こういう(名のある相手と)試合をしたかった」と発奮。ボクシング転向から2年で5戦全勝と実績を積み、4団体全てで世界ランク入りするなど世界タイトル挑戦への機運は高まっている。「(次は世界と)言われる位置に来た。自分でしっかりつかみ取ってきた」と自負を込め、「この試合は非常に勝負があると思っている。この一戦で全て失うことにもなるし、全部持っていけることにもなる。勝つか負けるかで、今後のボクシング界が盛り上がるか(も決まる)」と、自身、そして業界における天下分け目の戦いと位置づけて気合を入れた。
前王者モロニーは過去、井上尚弥や武居由樹とも戦っているだけに、世界目前までたどりついた天心にとっては、現在の実力を測る最高の強敵となる。過去の試合映像も残っているものの、天心は「これが、あまり見てないんですよね。(今までの相手と同じで)いつも通り」ときっぱり。「そこ(過去の動き)を想定すると崩れることがあるので、(映像は)ぼやーっと見るくらいで、何が来るかとか、何が得意で何が苦手かを把握するくらい」と明かし、「何が来ても大丈夫なように用意してきた。打ち合いになるかもしれないし、距離の取り合いになるかもしれない。そこは当日の僕に任せるしかない」と、人事を尽くした上でのアドリブ戦法を予告した。
ただ、12回まで同じ戦い方を貫けるスタミナとクレバーさは確認済みだという。天心もこの試合に向けては既に100回を超えるスパーリングを重ねているといい、「ラウンド後半になればなるほど相手もやりやすくなる。違う姿、違うフォルムを毎回見せていこうかな」と変幻自在のファイトを予告。「体力もついてきた。週4回スパーリングをやってきて、(キツさに)耐えてきた自信があるので、何が来ても大丈夫」とうなずいた。




