井上尚弥が衝撃KO勝ち「内容凄くよかった」戦慄右ストレートで相手吹っ飛びもん絶 11年ぶり日韓戦、延期&直前相手変更の異例続きも問題にせず

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=がWBO同級11位の挑戦者、金芸俊(32)=韓国=を4回2分25秒KO勝ちで下し、WBCとWBOは4度目の防衛、WBAとIBFは3度目の防衛に成功した。通算戦績は29戦29勝(26KO)。自身の持つ日本人最多世界戦連続KO記録を10に伸ばし、現役単独最多の世界戦通算24勝目をマークした。

 1回、ともに距離を計りながらの慎重な立ち上がりとなった。2分過ぎに井上が距離を詰めて強烈なパンチを放つも、決定的な場面はないままゴングが鳴った。2回、徐々に井上が攻勢を強め、強烈な右で押し込んでいくと、金も反撃するが、井上がガードをはじく強烈な一撃をたたき込んでいき、主導権を握った。金も力強い左ストレートを当てる場面もあった。3回序盤は金が攻勢に出るも、井上が強烈なボディーを当てる。しかし、金も連打を当てる場面があり、会場がどよめくシーンが。井上は左右の強烈なボディーを当てて、攻防が続いた。

 4回は金が圧力を強めて前に出たが、井上は冷静に組み立ててコーナーへと追い詰めていった。左のカウンターで相手をふらつかせると、そのまま左から強烈な右ストレートをたたき込んで相手をコーナーへ吹き飛ばし、金はもん絶。相手コーナーからタオルが投入された。

 勝利者インタビューで井上は「思った以上に会場に足を運んでいただいてありがとうございました。2度の中止と対戦相手変更という今まで経験したことないことがありましたが、皆さんが会場に足を運んでいただいて、僕はここに立てていると感じました。急きょ対戦を受けてくれた金選手ありがとうございましました」と観客と相手に感謝。「いつもより被弾するパンチが多かったが、急きょ対戦相手が決まり対策不足もあった。リングの上で確認しようという思いがあった。全体的な内容としては凄くよかった。ボクサーとしての完成度は自分自身も計れない部分がある。キャリア最終までレベルアップできるようなトレーニングを続けていきたい」と今後を見据えた。

 当初昨年12月24日に対戦予定だったサム・グッドマン(オーストラリア)が2度にわたる左目負傷で1カ月延期の末、試合13日前に挑戦者変更を余儀なくされるトラブルが続いたが、年末年始も休み返上で、約2カ月にわたって調整を続けてきただけモンスター。「試合が2度の中止からの延期なので、(試合が)すごく楽しみな気持ちはある。ちょっと待ち遠しいというか、そういう気持ち」と心境を語っていたが、蓄積していた思いをさく裂させる防衛劇となった。

 韓国にとっては、WBC世界フェザー級王者だった池仁珍が07年7月に負傷により王座剥奪されて以来、17年6カ月ぶりの王座誕生の期待がかかった。世界戦での「日韓戦」は13年11月のWBA世界バンタム級王座戦で王者亀田興毅-挑戦者孫正五戦以来、11年2カ月ぶりだった。当時は亀田が判定で防衛に成功した。

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