カシメロ、小國以載と4回負傷引き分け、スタミナ消耗も「井上尚弥戦なら本当の力見せる」再戦は「必要ない」
「ボクシング・10回戦」(12日、有明アリーナ)
元IBF世界スーパーバンタム級王者の小國以載(角海老宝石)と元世界3階級制覇王者のジョンリール・カシメロ(フィリピン)がノンタイトル戦で対戦。4回に偶然のバッティングにより小國が頭部を負傷し、試合続行不可能と判断され、4回27秒で負傷引き分けとなった。
元王者対決となった試合は、序盤から好戦的なカシメロに、小國もカウンターやボディー攻撃で応戦。4回、偶然のバッティングで小國が負傷した。ドクターチェックの末にレフェリーが試合を止めた。ジャッジは3回まで2人がカシメロ、1人が小國を支持した。
カシメロは、戦前からWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)との対戦を熱望。20年4月には、米国で井上との王座統一戦が組まれながら、新型コロナウイルスの影響で中止となっていた。この試合もあくまで井上戦へのステップだと公言してきたが、勝ち名乗りはならなかった。
カシメロは試合後「レフェリーストップは仕方ない」と受け入れた上で、「井上とやりたい。決着したい」と改めて要望。この試合では5、6回でのKO勝利を狙っていたと明かしたが、小國のボディー攻撃に消耗したのか、スタミナ不足ものぞかせた。しかし、「今日の試合にはライトトレーニングしかしていない。井上と戦うならハードトレーニングをして本当の力を見せる」と強気に言い放った。
負傷引き分けによって、小國とは再戦の可能性もある。井上陣営もその方針を支持していると聞くと、「再戦しても小國選手はあんなもんなのでやる必要はない。井上尚弥とやりたい」と譲らなかった。
カシメロは、21年のポール・バトラー(英国)戦で体重超過により王座を剝奪されるなど過去の素行から「悪童」「問題児」などと呼ばれてきた。また、井上尚には再三、挑発的な発言を繰り返している。