NOSAWA論外“瞬殺負け”の引退試合にどよめき「5分もリングに立てない体」介錯役の石森太二は涙

 涙するNOSAWA論外
 「プロレスLOVE」のポーズを決め引き揚げるNOSAWA論外(撮影・棚橋慶太)
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 「KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE ~HOLD OUT~」(21日、東京ドーム)

 第5試合で、さまざまなリングを彩った悪党、NOSAWA論外(46)の引退試合が行われた。タッグマッチで盟友のMAZADAと組み、外道、石森太二組と対戦。最後は4分43秒、石森のブラディークロスからの体固めで3カウントを奪われ、28年のレスラー生活に別れを告げた。

 世界を股にかけたバイプレーヤーが大観衆の前でド派手に散った。最後は石森に何かを語りかけると、自ら技に入らせるように体を委ね、ブラディークロスを食らって大の字。はね返すエネルギーは残っておらず、3カウントを聞いた。あまりにあっけない終幕に、会場ではどよめきも起こった。

 NOSAWAは1995年にデビュー。ルード(悪役)としてさまざまな団体を渡り歩いた。MAZADAらと「東京愚連隊」を結成し、全日本やメキシコ等でも活躍した。

 長年蓄積した体のダメージで引退するが、インタビュールームにも足を引きずりながら現れ、「今日も本当にキツくて、プロレスラーとしてはとっくに終わっている。段取りは(うまくて)、最後の死に場所に東京ドームを選んだが、5分もリングに立てない体」と苦笑い。「だけど、28年間プロレスをやってきた中で1番いい試合だったんじゃないかな」と胸を張り、「本当に辞めたくはないが、プロレス界と言うより、世間の問題児に(最後に)いろいろしてくれてありがとうございました」と涙ながらに感謝した。

 石森は決着後に体を重ねたまま言葉を交わし、涙を浮かべた。インタビュールームでも「なんとも言えない気持ち。20年前に会ったときは、まさか俺がNOSAWA論外の介錯(かいしゃく)をするとは思わなかった。語り尽くせないほどのたくさんの思い出がある」と号泣。2人にしかわからない関係性があるといい、「プロレスには一切世間に知られていない物語がある。NOSAWA論外というプロレスラーがいたことを忘れないでほしい」と語った。

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