「ボクシング・ＯＰＢＦ東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦」（１５日、墨田区総合体育館）

　前ＷＢＣ世界ライトフライ級王者・矢吹正道（緑）の弟で同級６位の力石政法（２７）が同級３位の渡辺卓也（３３）＝ＤＡＮＧＡＮ　ＡＯＫＩ＝を３－０の判定で破り、新王者となった。

　これが５０戦目のベテラン渡辺を相手に序盤から探り合いが続く中、力石は鋭く伸びる左ストレート、右ボディーなどを打ち込む危なげない試合運びを展開。終盤、渡辺がプレッシャーを強めると、軽やかなフットワークでいなしながらノーモーションの左を突き刺していくなど反撃を許さず。決定的な場面はなかったものの、３者ともフルマークの完勝を収めた。

　タイトル初挑戦で初戴冠の力石は試合後、リング上で「一言でいったら、チョー気持ちいい」と満面の笑み。だが、手にしたチャンピオンベルトは腰には巻かず、「まだまだこんなレベルなので笑われるかもしれないですけど、世界のベルトだけなので、腰には巻きません。今日は決定戦なので、次、指名戦に勝って初めて価値のあるベルトと思っているので」と話した。

　この日は矢吹もセコンドに付いており、「僕の夢は兄弟で同時に世界チャンピオンになること。兄はあと２回ぐらい勝ったらまた世界に行けると思うんですけど、ボクの階級だと層が厚いので、どんどん経験を積んでやらないとチャンピオンになれない。頑張って励みます」と、精進を誓った。