命運の国技館!林下詩美突破で最強トリプル女王の証明誓う朱里 29日スターダム
女子プロレス団体「スターダム」の旗揚げ10周年を締めくくる大トリ決戦(29日・両国国技館)は、女子プロレス大賞に輝いたワールド・オブ・スターダム王者・林下詩美(23)とSWA世界王者の朱里(32)がダブルタイトル戦で命運対決に臨む。日本武道館(3月3日)、大阪城ホール(10月9日)に続く年の瀬の大一番。女子プロレスの国技館大会は、神取忍の生誕半世紀イベント(14年10月)以来7年ぶり11回目で、スターダムとしては8年ぶり2回目の開催だ。
朱里はワールド王座3度目の挑戦で、昨年10月に岩谷麻優に初アタックした際は団体を背負う王者の覚悟としたたかさに屈して敗退。「スターダムで一番輝く選手を目指す」と、ベルトを取るために入団を決めた。今年6月には林下に挑み、30分フルタイム後の延長戦も13分19秒の激闘の末に両者リングアウトで引き分けた。5★STAR GP公式戦でも20分ドローで、今回は63分19秒未決着の死闘ドラマが時間無制限の2冠戦で再開される。
9月に5★STAR GPを初制覇した朱里は「ワールド王座を獲得してリングを朱世界に染める」と、改めて頂点王座の奪取を宣言した。これまでのタイトル歴はSMASHディーバ王座初戴冠(12年2月)からCMLL世界女子などプロレスで14冠。キックボクシングのKrush初代女子(14年3月)、総合のパンクラス初代女子ストロー級(17年5月)を合わせて16冠。UFCでも日本女子初勝利(17年9月)という勲章を手中にしている。
17年8月から格闘技に専念していたが、UFCの過酷な海外3連戦で挫折を体験。デビュー11周年を迎えた19年8月にプロレスに復帰した。スターダムとは不思議と縁があり、同団体の“生みの親”となる風香の格闘技引退マッチ(10年2月)の相手を務めた。「ゆずポン祭」(11年11月)にも参加し、愛川ゆず季とコンビを組んだ。そしてゆずポンの引退マッチが行われた13年4月の国技館大会にも参戦している。
スターダムも19年12月からブシロードファイトの運営に切り替わってから大躍進。今年は年商5億円で観客動員も2大会を残して4万3641人(99大会)を記録。一昨年の最多3万2813人(84大会)を大きく上回り、初めて4万人台に乗せた。朱里は「一番勢いのある団体のシンボルのベルトを取って最強を証明したい」と、17個目のタイトル奪取へ全力投球。「プロレス、キックボクシング、総合を制した私が赤いベルトを腰に巻く光景を見てほしい。世界が膨らみます」と、トリプル女王として“朱世界の創造”を見据える。
林下は昨年11月に岩谷を破ってワールド王座を獲得。デビュー2年3カ月の最速戴冠劇をやってのけた。今年は女子プロレス大賞に選出され、ワールド王座防衛戦も紫雷イオ(V10&14)に次ぐ3度目・2人目のV10を目指す。
08年10月にハッスルでデビューしてから14年目の朱里は、現在米国で活動する華名(アスカ=WWE)、志田光(AEW)らをライバルに戦ってきた。そして今回の決戦には「林下という最高の相手に出会えた。キャリアのすべてをぶつけて勝つことだけです」と決起。昨年9月に天国へ逝った母ルーシーさん(享年58)も見守るリングで、三度目の正直となる戴冠劇を目指す。



