井岡一翔 直接謝罪されても許せない ドーピング潔白証明も「今の体制すごい怖い」

 WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32)=Ambition=のドーピング検査をめぐる問題について日本ボクシングコミッション(JBC)は19日、手続き上の瑕疵(かし)を認め、井岡を処分しないと発表した。第三者による倫理委員会の答申を受け、同日のJBC理事会で決定した。これを受けて井岡は同日、都内で会見を開き、JBCに謝罪と再発防止を求め「許せない」と不満をあらわにした。

 潔白は証明されたが、怒りは収まらなかった。会見に出席した服部真尚弁護士が「納得していない部分はほとんどない」と井岡を処分しないとしたJBCの結論について好意的に評価した一方で、隣の本人はふつふつと湧き上がる感情を抑えられなかった。

 井岡はまず文書で発表した「私は禁止物質を摂取していません。今回、そのことが立証されました」などのコメントを朗読。だが、この問題で家族も含めてSNSなどで中傷にさらされるなど、名誉が大きく傷つけられたことには「正直辛かった。ボクの人生、家族の人生がこのまま終わっていくんじゃないかという部分もあった。JBCの今の体制でやっていくのはすごい怖い気持ちもある」との心境を語った。

 JBCは服部弁護士を通じて謝罪を済ませ、井岡にも後日に直接謝罪する意向を示している。しかし、井岡は「そんなもので許せない。会見を見ていましたが誠意が伝わらなかった。人生かけて、命かけて、日本ボクシング界を盛り上げるためにやって来たことに対して、それで許せるのか」と不満をあらわ。「安心してまた年内に試合ができるのか疑問ですね」と、不信感も口にした。

 今後の名誉回復について、服部弁護士は「今何かしようとは考えていない。これから井岡本人と話していくことになる」と話し、「世の中の人がどういうふうに受け止めてくれるのか。それを見てから」と説明。中傷の原因は誤った報道にあるとし、一部マスコミへ「新たな記事を書いて、正確な事実を伝えて欲しい」と求めた。

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