比嘉大吾、年内の世界返り咲き目指す「食べて、遊んだ」普通の生活から再起

 デビュー15連続KO勝利の日本記録を持つ元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(24)=白井・具志堅スポーツ=が10日、ジェイソン・ブエナオブラ(25)=フィリピン=との1年10カ月ぶりの再起戦(2月13日、後楽園ホール)へ向けた練習を公開し、陣営は今年中の世界王座返り咲きを目標に掲げた。

 18年4月の同王座3度目の防衛戦で日本の世界王者初の体重超過で王座剥奪となった上に挑戦者クリストファー・ロサレス(ニカラグア)に敗れ、JBCから無期限資格停止処分を受けていた比嘉。ロサレス戦以来初めて公の場で見せた姿は肉付きが増した感があったが、「約2年ぶりの復帰戦が決まったので、この2年待たせた、応援してくれたファンのために頑張ります」とあいさつした。

 体重超過の直後から引退を考え、その後の生活は「普通の生活をしようと思っていたんですけど、その生活を2年間やったので、いいかなと思ってまたボクシングに戻って来ました。普通の物を食べて、遊んでいました」という。「モチベーションもなかったんですけど、身近にいる両親だったり、後援会、ファンの人がサポートしてくれて、それでまた頑張ろうかなと思った」と周囲の支えに応えるために再び立ち上がった。

 現役続行を決意する直接のきっかけは、前戦から半年以上たった頃、故郷の沖縄にいる父に相談したとき。父にアルバイトをすると伝えたが、アルバイトの給料より現在1月に使う金額の方が多かったため「このままだと破産する」と言われ、「じゃあボクシングをやる」と決めた。本格的に練習を再開したのは昨年9月に行った香川県での合宿からだった。

 試合はバンタム級(リミット53・5キロ)よりやや重い119ポンド(約54キロ)契約の8回戦。現在の体重は約60キロ、試合を離れている間には最高で68キロまで達したと言うが、主戦場とする階級については「この体重でどうかなと、見てみないと分からない。今回の試合で決まると思う」と話した。

 目指すのは「世界チャンピオン」だが、「こんなに試合期間が空いたことはないので、そこだけに集中しています」と、まずは目の前の試合に全力を尽くす。支えてくれた周囲のために「勝って安心させたい。2年もリングにいないで、ニートをやっていると思われていると思うので」と誓った。

 弟子の再起に、所属ジムの具志堅用高会長は「私は素直に早めに戻って来て欲しいという気持ちが大きかった。もう一度頑張ると聞いて、こんなうれしいことはなかった」と大喜び。今後について、「あと2試合ぐらいやれば先が見えてくるんじゃないか。できれば年内、12月には世界チャンピオンに挑戦させたい」との方針を示した。

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