45歳・山本美憂が涙の再起星 23歳相手に完勝「お母さんって」
「RIZIN.20」(31日、さいたまスーパーアリーナ)
元レスリング世界女王の山本美憂(45)=KRAZY BEE=は、ムエタイ出身のアム・ザ・ロケット(23)=タイ=と対戦し、終始攻め続けて判定勝ちした。2年8カ月ぶりにRIZINに参戦した北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの石井慧(33)=チーム・クロコップ=は、ジェイク・ヒューン(米国)に1回1分24秒TKO負けを喫した。
山本が相手と親子ほどの年の差を感じさせないテクニックとスタミナで完勝した。「負けが続かなくて良かった」。ムエタイ出身で柔術でも黒帯を持つ難敵相手だったが、山本は何度もテイクダウンを奪い終始攻め続けた。「(相手から)試合後に『お母さん』と呼ばれたりして(笑)。とてもほほえましかったですし、そういった(若くて才能のある)選手に勝てて良かった」と胸を張った。
これがMMA10戦目。今年6月に浅倉カンナに勝利するなど4連勝していたが、10月にハム・ソヒにTKO負けを喫した。悔しさを糧に、その後は元ボクシング3階級制覇王者の長谷川穂積氏が会長を務めるボクシングジムで打撃を磨くなど再起に懸けてきただけに「前回の結果がとても悔しくて、いろんな方の力を借りてここまで来られた」とリング上で涙を浮かべた。
「私の場合は1戦1戦目の前の試合に勝つだけなので、(勝てば)後からいろいろついてくると思う」。進化を続ける45歳が笑顔で2019年を締めくくった。