村田諒太が王座復帰後初防衛 圧倒5回TKO 次は夢のビッグマッチだ

 「ボクシング・WBA世界ミドル級タイトルマッチ」(23日、横浜アリーナ)

 WBA世界ミドル級王者・村田諒太(33)=帝拳=が、同級8位スティーブン・バトラー(カナダ)を5回2分45秒TKOで一蹴し、7月の王座復帰後の初防衛を完勝で果たした。試合後の会見に同席した米興行大手トップランク社のボブ・アラムCEOは、次戦の相手にIBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、WBAスーパー王者サウル・アルバレス(メキシコ)の名前を挙げ、「東京ドームでやらせたい」とビッグマッチ計画をぶち上げた。

 夢の実現に大きく近づくV1だ。胸のすくようなTKO劇を見せた村田はリング上で満面の笑み。「控室ですごく調子がよくて、これなら倒せるという気持ちが生まれてしまって、序盤から空回ってヤベッと思った」と大観衆の笑いを誘った。

 28勝中KOが24の強打者バトラーに対し、ガードを固めてプレッシャーをかける自分のスタイルで主導権を握ることを勝利のカギに挙げていた。その言葉通り、バトラーの手数を堅いガードでブロックし、初回から前に出て何度も重い右をヒットさせて優位に試合を進めた。そして5回、最後は右ストレートからの連打でコーナーに追い詰め、崩れ落ちそうになったバトラーに左フックを振り下ろしてトドメを刺した。

 「自分のボクシングをやっと確立できたと思う」と振り返る完勝。「次はトップ・オブ・トップと戦いたい。リアルな試合をお願いします」と陣営にビッグマッチ実現を呼び掛けた。

 村田の標的は元3団体統一王者ゴロフキン、“カネロ”の異名を持つ世界4階級制覇王者アルバレスら世界的スター。この試合を「ボクサーとしてもっとやりたいこと、かなえたい夢がある。その一歩にしたい」と意気込んでいた。

 そして夢は早くも動き出した。この試合を村田と契約するトップランク社のアラムCEOとカネロと契約するゴールデンボーイプロモーションズのロベルト・ディアス氏が視察。アラムCEOは「東京五輪前にカネロかゴロフキンと村田を東京ドームで戦わせたい」との計画を明かし、ディアス氏も「カネロも日本で試合をしたいと言っている。年明けすぐにも本格的な交渉を始めたい」と前向きな考えを示した。

 これをそばで聞いた村田は「帝拳でやって、最高の試合を組んでもらっている。それに感謝して一戦一戦やっていくだけ」と話すにとどめたが、うれしさが表情ににじみ出ていた。来年こそ夢にたどり着く。

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