田口、2度目の戴冠ならず 王者に脱帽「強かったですね」

 「ボクシング・WBO世界フライ級タイトルマッチ」(16日、岐阜メモリアルセンター・で愛ドーム)

 世界最速タイ12戦目で3階級制覇を達成したWBO世界フライ級王者の田中恒成(23)=畑中=が、元世界ライトフライ級統一王者で同級4位の田口良一(32)=ワタナベ=を3-0の判定で下し、同級での初防衛に成功した。17年末に計画されながら白紙となった一戦がようやく実現。国内では平成最後となる世界戦で、田中は昨年9月の木村翔(30)=青木=に続き2試合連続で日本人から勝利を挙げた。

 2度目の戴冠は遠かった。王者田中に真っ向勝負の打ち合いを挑んだ田口。3回には右ストレートでぐらつかせたが攻めきれず。4回以降は距離感をつかまれて多くのパンチを浴びるも、最後まで前に出ることを忘れず12回を戦いきった。

 試合後は頭痛を訴えたほど死力を尽くした戦い。「もっと教えてもらったことを出せたかなと思うんですけど、実力が不足していた。相手は気持ちが強かった。いいパンチが当たったんですけど、強かったですね」と王者の闘志に脱帽した。

 前戦で敗れた後は引退して飲食店経営を考えたが、「不完全燃焼の試合。これで終わっていいのか」と考えて再起。再度の敗北に「前回はああ引退だなという感じだった。今回はそうではなくて、今後どうしようという気持ち」と迷える心境を明かすも、「(トレーナーが)梅津さんに変わって、少し成長を見せられた。このままじゃもったいない」と前向きな姿勢も見せた。“ツヨカワ”と呼ばれて一時代を築いた男は再び立ち上がるのか。

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