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【長谷川穂積の拳心論】村田は3試合分の価値ある負け 誤算はブラントのスタミナ

 「ボクシング・WBA世界ミドル級タイトルマッチ」(20日、ラスベガス)

 王者の村田諒太(32)=帝拳=が挑戦者ロブ・ブラント(米国)に0-3の判定で敗れ、昨年10月に獲得した王座の2度目の防衛に失敗した。デイリースポーツ評論家の長谷川穂積氏は、中盤以降も落ちなかったブラントのスタミナに対する誤算を敗因に挙げつつ、再起へ向けてエールを送った。

  ◇  ◇

 【長谷川穂積の拳心論】

 ラスベガスでの試合で、しかもメインイベント。村田選手がどんな戦い方を見せてくれるのか、非常に楽しみな一戦だった。

 テクニックとスピードに定評があるブラント選手と、パンチ力とスタミナの村田選手の戦い。序盤はブラント選手のテクニックが光った。ジャブを小刻みに出し、足をうまく使ってショートのパンチをまとめる。序盤はこういう状況が想像できたし、中盤から終盤にかけて村田選手がプレッシャーをかけ、得意の右をさく裂させるのだと思っていた。

 しかし、予想外だったのが、中盤になってもブラント選手の足も手数も止まらなかったこと。試合2カ月前からラスベガスでキャンプを張ったということは、この試合にかける思いが相当強かったのだと思う。5回に村田選手もいい右を当て、そこから展開が変わっていく気がしたが、6回からまたブラント選手がうまく足を使い始め、手数とテクニックでポイントを稼ぎだした。このブラント選手のスタミナに対する誤算が、後半のポイント献上につながったのではないだろうか。

 大ダメージはなくても、細かいパンチをもらうことで小ダメージは少しずつたまっていく。その結果、中ダメージくらいまで蓄積し、いつもの村田選手のように、前に出づらくなったのではないか。また、相手のワン・ツー・スリーのスリーをもらうことであごが跳ね上がり、効いていなくてもポイントが向こうに流れてしまった可能性もある。

 しかし、この負けは、ほかの試合なら3試合分の価値がある。もう一度戦うというのなら、この負けがあって本当に強くなったなぁと、皆が思うような村田諒太が見たい。自分の心の火がまだ燃えているなら、ここからはい上がる村田諒太を見てみたい。(元世界3階級制覇王者)

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