尾川 負傷判定で新王者

 「ボクシング・日本スーパーフェザー級タイトルマッチ」(14日、後楽園ホール)

 王座初挑戦の尾川堅一(27)が、5回負傷判定勝ちで新王者となった。1回終了ゴング間際、王者・内藤律樹(24)の一瞬のスキをとらえ、右カウンターで先制のダウンを奪い、プレッシャーをかけ続けた。

 だが、勝負は意外な形で決着した。5回、リング中央で両者が激しく激突した。ロープに飛ばされた内藤の右目上から鮮血が噴き出し、ドクターストップ。ここまでの採点は3-0で、尾川の右手が挙がった。

 10月に父・雅一さんを病気で亡くし、リング上で遺影を掲げて戴冠を報告した。「1回は会心の一撃。(同門の)粟生先輩に『うまさは強さでつぶせる』と言われた。その通りだと思ってやった」と振り返った。自ら「世界へ行けるかどうかの分岐点」と位置づけた試合を、力でもぎ取ってみせた。

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