内藤感涙初V!G1の悪夢振り払った

 「新日本」(11日、両国国技館)

 「G1 CLIMAX 23」の優勝決定戦はカール・アンダーソン(33)を破り、Bブロックの混戦を抜け出した内藤哲也(31)が、柴田勝頼(34)を下したAブロック代表・棚橋弘至(36)を撃破し、初優勝を決めた。内藤は昨年8月に右膝前十字じん帯を断裂。10月から8カ月間の長期欠場を経て、今年6月から戦線復帰した直後の快挙に歓喜の涙を流した。一昨年の決勝で中邑真輔(33)に敗れたリベンジを果たした期待の星は今後について、オカダ・カズチカ(25)のIWGP王座挑戦の前に、7・20秋田で敗れたNEVER王者・田中将斗(40)との再戦を熱望した。

 勝利の瞬間、丸めた棚橋の体の上で雄叫びを上げた。右膝負傷から復帰後、約2カ月で勲章を手にした内藤は、1万1500人の歓声に「ありがとうございました」と涙ながらに感謝した。

 昔からプロ野球・広島とともに新日本の大ファン。05年の公開入門テストに合格し、翌年にデビューした内藤が先に決勝進出を決めると、憧れの棚橋が勝ち上がってきた。先輩の右膝攻めにもん絶したが、諦めなかった。ハイフライフローを2度かわし、最後はスターダストプレスで息の根を止めた。

 昨年のG1は悪夢だった。8・7仙台サンプラザのルーシュ戦で右膝を負傷。手術とリハビリで10月から長期欠場を強いられた。自身が不在でも新日本の人気は爆発し、「オレのことなんてみんな忘れてるだろう」と不安にもなった。それでも、復帰戦の6・22大阪で想像以上の声援に後押しされ、奮い立った。

 右膝は万全でなく、G1開幕前の4日・大阪大会後と10日・両国大会前にたまった水を抜いた。昨年と同日同会場の7日・天山戦後にも復帰を実感して涙した男は「応援してくれるファンのために、膝の1本や2本くれてやるという気持ちで(優勝戦に)上がった」と振り返った。

 当面の標的は田中に定める。「秋田の悔しさを浄化しない限り前へ進めない。みんなを納得させた形でIWGPへ進む」。夢は大好きな新日本で誰もが認める主役の座。13年夏男の称号を手にした内藤が、長年の思いにグッと近づいた。

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