宮崎、無敗で王者!母に捧げる涙の戴冠

 「WBA世界ミニマム級王座決定戦」(31日、ボディメーカーコロシアム)

 ボクシングのWBA世界ミニマム級2位の宮崎亮(24)=井岡=が、同級4位のポンサワン・ポープラムック(34)=タイ=を2‐1の判定で下し、世界初挑戦でチャンピオンベルトの獲得に成功した。

 デビューから21戦無敗で世界王者に上り詰めた。本来のライトフライ級から1階級軽いミニマム級へ転向しての世界初挑戦。宮崎は「きょうはミニマム級でのテストマッチ。しょっぱい試合ですみません」。薄氷を踏む思いの勝利にうれしさと悔しさが混じり、試合後は涙が止まらなかった。

 2回から最終回まで打ち合う激しい試合だった。元王者のポンサワンは積極的にパンチを繰り出し、中盤は宮崎が防戦に追い込まれた。10回にポンサワンがブレーク後の加撃で1点の減点。11、12回は宮崎が効果的なパンチを連打して、打ち疲れた相手を圧倒した。

 ようやく獲得したチャンピオンベルトは、母・恵美子さん(50)にささげる。「お母さんを楽にさせたくてプロボクシングを目指した。勝ち続けるのが親孝行」。宮崎が小学5年の時に両親は離婚。それから、母は生命保険のセールスレディーを務めながら、宮崎ら3人の子供を育て上げた。

 井岡ジムでは、宮崎が最初のチャンピオンだ。09年10月に日本ライトフライ級王座を獲得し、大阪・興国高から親友の一翔よりも先にジムへ初タイトルをもたらした。トレーナーの一法氏も「もともと、井岡ジムの突破口を開いたのは彼だと思っている」と宮崎を功労者として認める。

 ベルトの重みを実感した宮崎には「自分のボクシング人生は今から。次の試合を見て下さい。いつか統一戦ができれば」と、早くも新王者としての自覚を口にした。一翔と同じ複数階級制覇を目標にするが、しばらくは手にしたベルトの防衛を目指す。「予想以上に体が動かず、意外とパワーが出なかった」。まずは、厳しく絞り込んだミニマム級の体に慣れるという課題の克服から始める。

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