小山氏×安仁屋氏(5)広島を追うチームは…セの今後を予想

阪神&広島の今後の戦いを展望する小山氏(左)と安仁屋氏(右)=兵庫県・西宮市内=
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 “虎のレジェンド”小山正明氏(83)と“鯉のご意見番”安仁屋宗八氏(73)が緊急対談。最終回となる第5回は再開したセ・リーグの今後を展望した。

  ◇  ◇

 小山「貧打に泣いた阪神の交流戦。広島もオリックス、ソフトバンクとのアウエーで5連敗。危惧しとった投手陣の弱さが最後に出たね」

 安仁屋「カープは序盤に投手陣が打ち込まれましたが、その後は中継ぎ投手らの頑張りでなんとか持ち直した。しかし、最後の最後で先発も中継ぎも崩れてしまった」

 小山「ただゲーム差は詰まっていない」

 安仁屋「交流戦のマジックですね。他も決め手がないから助かってる」

 小山「阪神は序盤に点を取っても“山口百恵”なんやから」

 安仁屋「どういう意味ですか?」

 小山「これっきりこれっきり、これっきり~ですかぁ、ちゅう歌が昔あったやろ(苦笑)」

 安仁屋「その点カープは序盤抑えられていても後半何とかなる、という自信のようなものを選手は持っている。けど、さすがに後半は苦しかった」

 小山「阪神は投手陣は結構踏ん張っとるんやけどな。防御率はリーグトップやし、それなりの戦いはしとった。しかし、いかんせん打線がな」

 安仁屋「カープ側から見ても怖さは感じない。一発のありそうな右打者はいても確率が…。それでも、鳥谷なんかが打線にいると嫌ですよ」

 小山「連続試合出場の記録が止まって、どこか吹っ切れた感がある。去年三塁でゴールデングラブ賞を取ったように、守備も安定感がある。自分の範囲内に来た球は確実に処理するからね。それに若いもんにない経験もあるし…ところで広島を追うのはどこやろ?」

 安仁屋「阪神の攻撃陣がどれだけ上向いてくるか、というのはあるけど、現状ならヤクルトでしょう」

 小山「開幕当初は投手陣が苦しいと思っとったが、意外によう頑張っとる。打線は元々いいんで食らいつくかもしれん」

 安仁屋「カープからコーチの石井と河田がヤクルトに移ったでしょう。ワシは彼らの存在が大きいと思っとるんですよ。去年不振だった山田が復活したのは多分に彼らの影響がありますね」

 小山「故障してた選手も次々に帰ってきとるし、イキのいい若いのも出てきた。それが石井と河田のおかげやったら彼らは大したもんやで。もちろん、巨人もあなどれん。今の日本球界で、投手、野手合わせてNo.1だと思うのが菅野やね。安定感がまるで違う」

 安仁屋「僕も菅野やと思います。あの投球は守っているバックに安心感を与えるんですね。しかし、彼が投げる時は苦戦必至でも、それを攻略すれば勢いは確実につく。去年、薮田が菅野に投げ勝って1-0の完封勝ちをしてからブレイクしましたから」

 小山「DeNAはどう思う?」

 安仁屋「去年CSファイナルで負けているだけに、調子には乗せたくない相手。新人の東ちゅう投手もいいしね」

 小山「打線だけ見ればDeNAは阪神よりかなり上。夏場になってくれば広島の投手陣もかなり苦労するんじゃないかな」

 安仁屋「カープもまだ万全じゃないんで夏場以降にヤマ場が来ると思います。そこをどうしのぐか。まだ阪神にもチャンスはありますよ」

 小山「阪神は他球団どうこうよりいかに自分とこの調子を上げるかや。福留、糸井らベテランに疲れが出始める時期。ここをどう若手が踏ん張るか。当面は勝率5割キープで我慢することや」

(おわり)

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