国内のラッコわずか4頭に 進む動物の“少子高齢化” ハイヒール・リンゴ「生態への理解もっと深めよう」

 国内の動物園や水族館で飼育されている動物たちの“少子高齢化”が進んでいるそうです。特に、日本ではあまり見られないような、スター的存在の動物たち。先日も、国内で飼育されているラッコがたった4頭になってしまった-というニュースがありました。

 動物園といえば、私の妹がまだ幼かった頃。母がよく、本物そっくりな動物のフィギュアを買って種類を教えていたのですが、ある日繁華街でネズミを見た妹が「あ、イノシシや!」。フィギュアはどれも7、8cmで大体同じ大きさだから、妹の中ではサイズの感覚がなかったようです。でも繁華街でイノシシと叫んだものだから、「どこや!」と大騒ぎに。後日、慌てて動物園に連れて行かれたのが、妹にとっての初動物園でした。

 私も猫を飼い始めて、毛並みやツヤって年齢によって差が出るんだなぁと実感しています。猫も8歳を超えると寝て過ごすことが増えるのだそう。そう思うと動物園でよく動物たちが寝ているのは、高齢化も一因だったのだな、と改めて思いました。

 和歌山のアドベンチャーワールドにいるジャイアントパンダの永明(オス、28歳)は15頭のパパで昨秋も赤ちゃんが生まれましたが、実は人間にすれば80歳ぐらいだそうですから、すごい快挙。でも、やはり野生とは大きく違う環境で暮らすため発情しなかったり、カップリングがうまくいかなかったり、上手く育たない動物も少なくないそうです。

 さらに、ライオンやトラ、ホッキョクグマといった希少動物はワシントン条約で商業目的の取引が禁止されています。私もグリーンランドの北極圏にロケに行かせて頂いたことがありますが、現地ではホッキョクグマの爪が「勇者の証」、しろ物のお土産として珍重されているのですが、国外への持ち出しは一切禁止。セイウチの爪のペンダントでも売買した双方の証明書を税関で提出しなければならないという厳しさでした。

 となると、海外の動物園等からレンタルしながら、繁殖させていくしかありません。先日、大阪の天王寺動物園でロシアから来たホッキョクグマのカップルの間に生まれた赤ちゃんの取材にお邪魔しましたが、もう既にお父さんは次の繁殖のため横浜の方に旅立ったそう。人間の感覚では「えっ」と思いますが、実は元々ホッキョクグマは母親だけで子育てをし、父親は自分の子という認識がほとんどないのだといいます。

 他にも面白おかしい相関図が人気の、京都水族館のペンギンには、ペンギン界で初めて文春砲の餌食になった、数々のオスを虜にする“魔性の女”が。でもこれはペンギンの世界では珍しい事ではないらしい(笑)。当然ですが、動物たちの世界は人間の世界と全く違うのですよね。

 動物園って、娯楽はもちろんですが、やはり教育的にも大切な存在。誰もが実際に動物たちが暮らしている地域に行けるわけではありませんし(アフリカなんてなおのこと)、実際に見て、声を聞いて、臭いをかいで、触れ合える動物なら触れ合って、そこで初めて分かることが沢山あります。コアラが意外と鋭い爪を持っているように、特にキャラクター化されている動物は、野生の姿とのギャップの大きさに驚くことも少なくありません。

 その一方で、本来暮らしていた場所から違う環境の場所に連れてきて、施設に入れるのですから、どうしても人間のエゴの部分は否定できません。北海道の旭山動物園の取り組み以降、ずいぶん変わってきてはいますが、展示方法や施設の整備など、動物の少子高齢化の裏側にある問題ももっと考えて行かなければならないと思います。

 と、かなり真面目に書いてしまいましたが、こんな状況だから、動物のレンタル価格も、どんどん高騰しているそうなんです。大阪の天王寺動物園のホッキョクグマも、よく夏に果物入りの大きな氷をプレゼントされて喜んでかじっていて、美味しいんだろうな、と思っていたら「あれ、暑いから触ってるだけなんですよ」と飼育員さん。じゃなんで果物?と思ったら、なんとホッキョクグマのスポンサーさんが「551」の「蓬莱」さんと聞いて、あ~なるほど。妙に納得!

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