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小泉進次郎環境相「セクシー」発言報道に潜む「切り取りニュース」の怖さ

 国連の気候変動に関する会合に出席した小泉進次郎環境相が、記者会見で「セクシー」と発言したニュースが物議を呼びました。海外通信社の記事を各社が後追いし、「恥ずかしい」とか「無知をさらけ出した」と炎上した後、全容が報じられ、実は他の出席者の発言を引用したものだということが明らかに。一体何だったんだ…という思いですが、これって一部を切り取って報じる「切り取りニュース」の弊害の最たるものではないでしょうか。

 先日、ネット配信番組に呼んで頂いた時に聞いたのですが、ネットニュースの原稿を書いている人が、「ネットニュースは正直、正確さより速さ」と明かしていました。他の記者をおさえて載ればいくら、外部サイトに採用されればプラスいくらいくら、と報酬も変わるんだとか。

 つまり、多少内容とは違っていても「クールでセクシーな」タイトルにすることが大事。でも、それに必死になって、誰かの発言の一部が切り取られ報じられる事はすごく怖いことではないでしょうか?

 私も経験がありますが、発言の主が「そんな表現ではなかった」「そんなトーンでは話していない」と反論しても、なかなか流れは変わらない。ネットニュースも動画も、やっぱりニュースとして配信するなら誰が書いたか「文責」をはっきりさせるべきだし、もし間違ったことを書いたなら、今後その人の記事は当面採用しないなどペナルティーが科されても良いと思います。

 先日、とある芸人が「ネット速報→ネットニュース→ネット番組→地上波→新聞など文字媒体…の順番で正確性が上がる」と言っていましたが、順位が低いからといって正確でなくてもいいわけじゃない。ニュース媒体も増えているし、ちゃんと自分で調べて自分の言葉で記事を書く記者と、テレビを見ながら出演者のコメントを書き表現する一般のライターが同じ扱いをされるのもネットの世界の怖さです。

 私はずっとネットの匿名性には原則反対の立場です。一度ネットに書き込まれた内容や情報は「デジタルタトゥー」になり完全に削除するのが難しいといわれてきましたが、それも最近では痕跡を消す方法が専門家によって行われるようになっています。検閲や統制にならない事は当然ですが、ネットの法制化は急ぐべきではないでしょうか。

 ニュースも「何だ、そうじゃなかったのか」ではすみません。記事化するときは必ず元になった資料や記事をたどれるように文責も記すなど、正確に伝える配慮をすべき時が来ていると思います。

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