福岡2戦連続トライ 後半途中出場でエースの仕事果たした

 「ラグビーW杯・1次リーグA組、日本38-19サモア」(5日、豊田スタジアム)

 1次リーグA組で日本はサモアに38-19で勝ち、3連勝で勝ち点を14に伸ばした。SO田村優(30)=キヤノン=がPGを4本決めるなど正確なキックで18点を挙げ、勝利を呼び込んだ。WTB松島幸太朗(26)=サントリー=は試合終了間際に貴重な4トライ目。日本代表のW杯最多となる通算5トライとした。日本は初の8強入りを懸けて、13日の最終戦でスコットランドと激突する。

 日本のエースがまたしても歓喜を運んだ。後半15分に出場したWTB福岡が同35分、勝利を決定付けるトライ。「スピードを生かして、何かしらインパクトを残そうと思っていた」と胸を張った。

 「(ラグビーを)やめたい」-。4年前の宮崎代表合宿で人生最大の挫折を味わった。当時の指揮官、エディー・ジョーンズHC=現イングランド監督=の猛練習に追い詰められた。何ごとにも根拠を求め、合理性や効率を追求する福岡。「練習の長さや強度を計算し、体力の配分を考えていた」。世界レベルで戦い抜くため、常に100%の力を出しきる大切さを知るジョーンズHCにはそれが気に入らなかった。

4年前から成長

 「グラウンドから出て行け!」。報道陣も見学者もいる前で、練習から追い出された。子どもの頃から宿題を学校で済ませるようなタイプ。勉強もラグビーの練習も短時間集中-。それで成果を残してきた自負もあった。

 当時は代表入りの当落線上にいた。「本当にきつくて重圧もあって体もズタボロ。正直やめたいな、ここで逃げ出したら楽だろうなと頭に浮かんだ」。心が完全に折れそうな時、筑波大2年で初招集された時にジョーンズHCから「19年にチームの中心として引っ張ってほしい」と掛けられた言葉が浮かんだ。

 「効率の良さだけでは足りない世界に気付かされた」。生まれて初めて死に物狂いに練習に取り組み、前回W杯の代表に生き残ったからこそ今がある。あれから4年。福岡の成長はまだ続く。

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