【にしたん社長の人生相談 西村誠司氏のお悩み相談】物価高やAI台頭を前に今の働き方で家族を守れるか

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】 33歳のITゼネコン勤務の会社員(妻、子1歳)です。物価高やAI台頭を前に、今の働き方で家族を守れるか不安です。業務はExcelでの進捗管理や社内調整、外注管理がメーンで、現場の技術からは遠ざかっています。「自社特有の作法」に詳しくなった一方で、転職市場で通用する専門性がないように思い、万一の際に潰しが利かない恐怖が拭えません。激動の時代を生き抜く「心の持ちよう」と「生存戦略」を教えてください。あと、西村さんの会社でも中途採用されていますか?自社特有の作法が身についていても評価はあまり高くないものでしょうか。

 【回答】 ご相談ありがとうございます。33歳、幼いお子さんを抱え、ご家族を守る立場になったからこそ感じる不安だと思いますし、その不安はとても健全です。何も考えずに日々をこなしている人より、よほど未来を見ています。

 まず「心の持ちよう」についてお話しします。

 物価高、AI、働き方の変化--確かに今は不安要素が多い時代です。ただ、こうした環境は「一部の人だけが生き残る時代」ではなく、「考え続ける人が生き残る時代」でもあります。あなたはすでに、自分の立ち位置やリスクを言語化できていますよね。それだけで、実は一歩前にいます。不安を感じること自体を弱さだと思わないでください。不安は“備えるためのセンサー”です。

 次に「生存戦略」です。

 ご自身でおっしゃっている通り、Excelでの進捗管理、社内調整、外注管理は、AIや仕組み化の影響を強く受けやすい領域です。一方で、ここに価値がまったくないかというと、そんなことはありません。プロジェクトを止めず、人と人の間に立ち、全体を前に進める力はどんな組織にも必要です。ただし、それが「その会社の中だけでしか通用しない言葉や作法」になってしまうと、市場価値が見えにくくなるのも事実です。

 私がお勧めしたいのは、「今の仕事をしながら、翻訳力を身につける」ことです。

 たとえば、あなたがやっている進捗管理や調整業務を、「どんな課題を、どんな判断で、どう解決しているのか」という形で説明できるようにする。社内ルールを覚えるだけで終わらせず、「なぜそのやり方なのか」「他社ならどうなるのか」を意識する。これだけで、同じ仕事でも“潰しが利く経験”に変わっていきます。

 技術から離れていることへの不安もあると思いますが、今からでも遅くはありません。すべてを深くやる必要はなく、「何ができて、何ができないか」を自分の言葉で語れるレベルでいい。AI時代に本当に価値が残るのは、「判断」「優先順位づけ」「責任を引き受ける姿勢」です。そこは、まだAIには代替しきれません。

 最後に採用について。

 私の会社でも中途採用はしています。ただ正直に言えば、「自社特有の作法にどれだけ詳しいか」だけで評価が高くなることはあまりありません。それよりも重視するのは、「環境が変わったときに、自分のやり方を更新できるか」「初めての状況でも考えて動けるか」です。今いる会社で培った経験を、どれだけ汎用的な言葉に置き換えられるか。それが評価の分かれ目になります。

 激動の時代を生き抜くために必要なのは、特別な才能ではありません。「このままでいいのか」と問い続けること、そして小さくでも手を打ち続けることです。あなたはもう、そのスタートラインに立っています。焦らず、でも思考停止せず、一歩ずつ準備していきましょう。家族を守ろうとするその姿勢自体が、あなたのいちばんの強さです。

 ◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。

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