【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】冷静に伝えたい「夫に家事をさせるための理屈」

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】夫のことでご相談があります。結婚して約20年、子無しの共働きです。相談というのは、夫が家事をほとんどしないのです。わたしが夕食にカレーを用意していても「カツはないのか」と一言文句を言います。「お前が買ってこい!」という言葉をわたしは飲み込んでいます。「ごちそうさま」とは言うのですが、一言文句を言うのです。たぶん会社でも嫌われてるんじゃないかと思うのでそれも心配です。鈍いから気付いてないかもですけど。たまにわたしも言い返すのですが夫の屁理屈がめんどくさくて我慢してしまいます。夫に家事をさせる三段論法的な理屈をご教示ください。

 【回答】ご相談ありがとうございます。共働きで20年近くご結婚生活を続けてこられた中で、ご主人が家事に非協力的であるという状況。日々の積み重ねの中で感じる理不尽さや疲れは、想像以上のものだと思います。心中お察しします。

 まずお伝えしたいのは、家庭というのは本来「共同で維持すべき場」であるということです。収入を共に支えているのであれば、生活そのものもまた共同運営であるべきだと、私は考えます。企業経営と同じで、片方だけが仕事を引き受け、もう片方がその成果に対して一方的に不満を述べている状態が続けば、やがて組織は崩れていきます。

 さて、ご質問の「夫に家事をさせるための理屈」についてですが、私なりに整理してみると、次のような構成になると思います。

 ①夫婦は生活を共にするパートナーである。これは夫婦関係の前提です。どちらかが上でも下でもなく、対等な関係であるという理解が必要です。

 ②生活を共有する以上、その維持には双方の責任が発生する。経済的な負担だけでなく、家事・食事・衛生といった日常の業務も、家庭運営の重要な要素です。

 ③したがって、家事を一方に任せることは、関係の対等性を損なう。これは相手への敬意の問題でもあります。片方が黙ってすべてを担い続けるのは、健全な関係とは言えません。

 この考え方は、感情に訴えるよりも、構造として冷静に伝えることが大切です。「家事をしてほしい」のではなく、「家庭を共同で担っていない現状が対等な関係を崩している」と明確に伝える。そこに、ご主人がどれだけ向き合うかで、今後の関係性が見えてくると思います。

 それともう一つ、気になったのは「ご主人は会社でも嫌われているのではないかと心配している」という点です。たとえ家庭内での言動であっても、他者への配慮や対話の姿勢が欠けている場合、社外でもそれが出てしまっている可能性はあります。ご本人が気づいていない場合、近くにいる人が指摘してあげる必要があります。

 「一緒に生きていくなら、対等な立場で支え合いたい」と真剣な意思として伝える。話し合うことを避けず、向き合う機会を設ける。それは決して“責める”ことではありません。今後を良くしていくための大切なアクションです。

 我慢を重ねて限界を迎える前に、ぜひ一度、率直にご自身の思いを伝えてみてください。対話からしか、変化は生まれません。あなたの冷静な判断と、誠実な姿勢が、ご夫婦の関係をよりよい方向に導くと信じています。応援しています。

 ◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数6万1000人。

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