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鷹の元ドラ1が次世代に伝えたいこと ケガに苦しんだ経験を糧に進む第二の人生

 昨季までの5年間で、実に4度の日本一に輝いたソフトバンク。その前身であるダイエーに1999年ドラフト1位で入団した田中総司さんは現在、地元・兵庫県伊丹市で「たなか鍼灸整骨院」を経営する傍ら、自ら立ち上げた「伊丹中央ボーイズ」で監督を務めている。

 立命大時代は大学日本代表にも選ばれるなど、逆指名ドラ1にふさわしい実績を引っ提げてのプロ入りだったが、故障に泣かされ、わずか5年で戦力外通告。トライアウトに向けた練習中に左肩を痛めて手術を余儀なくされると、リハビリ中に今度は上腕の筋肉を断裂し、現役続行を断念せざるを得なくなった。セカンドキャリアに柔道整復師、鍼灸師の道を選んだのは、自身の苦い経験があるからだ。

 6年間、福岡の専門学校に通い、卒業後は関西に戻って鍼灸接骨院に勤務。経験を積んで2017年5月に独立した。故郷での開業は決めていたが、今の場所に決めたのは「伊丹の公立高校4校の真ん中にあるから」。スポーツ障害に苦しむ子供たちの「お手伝いができれば」と考えていた。

 しかし、それだけでは経営が成り立たない。学生は夕方以降しか来院しないため、平日の午前診療は閑古鳥が鳴いていた。「このままじゃ、ほんまにつぶれると思いました(苦笑)」。ダイエー時代の知人からアドバイスを受け、医療機器メーカーが運営する施設で「ストレッチ教室」を開催するなどして、患者の年齢層を広げていった。

 院内には大きな鏡があり、希望者には投球や打撃フォームなど野球の技術指導を行うほか、美容鍼をメニューに加えて女性の集客にも取り組んでいる。心掛けているのはコミュニケーション。「ひとりひとりの患者さんを大事にしていきたいので。口コミで患者さんが増えてくれるのが一番うれしいですね」。

 開業とほぼ同時期に、中学生の硬式野球チームも発足させた。夢は「伊丹・宝塚の(公立)高校が甲子園へ行くこと」。自身は伊丹北3年時の県ベスト4が最高成績だった。中学3年間は、高校野球へ向けた体づくりとスキルアップの大切な時期。野球少年たちの指導にも余念がない。(神戸新聞特約記者・岡部充代)

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