赤いハンカチ王子は野球専門店の店長に 斎藤佑は“恩人”「ありがたかった」

店長として汗を拭く暇もない齊藤悠葵さん
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 「サイトウユウキ」はマウンドを降りた後も第一線で奮闘している。元広島の齊藤悠葵さん(30)は14年に現役引退後、同12月に株式会社ドームユナイテッドへ入社。バッティングセンター、人工芝のグラウンドが併設され、野球教室も開催される「アンダーアーマー ベースボールハウス 川崎久地」に配属された。

 16年2月から店長に昇格。「これからも人に夢を与える仕事がしたいと思っています」。日本ハム・斎藤佑樹と同姓同名で注目を浴びたプロ時代の経験を生かし、お客様対応や野球指導に励んでいる。

 齊藤さんは福井商から06年高校生ドラフト3巡目で広島に入団。1年目の10月1日の巨人戦で、球団史上初の高卒新人による初登板初先発初勝利を挙げた。同日には1学年下の早実・斎藤佑樹が国体で完封勝利。齊藤さんは巨人戦後に赤いハンカチで汗を拭き、「赤いハンカチ王子」として注目を浴びた。

 その後は09年に9勝を挙げるなど活躍。そのたびに同姓同名の全国区スターを引き合いに出されることも多かったが、感謝しかなかったという。「彼のおかげでいろんな人に名前を覚えてもらえたので、ありがたかったです。ずっと仲良くなりたいと思っていましたから」。結局、現役時代に会うことはできなかったが…。

 昨年12月、ついに広島・福井の結婚式で初対面。「斎藤くんも僕を分かってくれていて、一緒に写真を撮ってインスタグラムにあげたら反応がすごくて(笑)。同じ名前がニュースに出てくるので注目してますし、頑張ってもらいたいですね」。今もプロで活躍する“恩人”を陰ながら応援しているという。

 社会人生活は4年目に入った。当初はメールの書き方からつまづき、3カ月かけてパソコンの使用方法を勉強。地道に努力を重ねた。「プロは自分が頑張ればいい面があったけど、今は責任がある。元プロという肩書きは指導に生きるけど、接客方法とかは考えていかないと」。現役時代に同僚だったドジャース・前田健太や広島・中田廉らは今も店に訪れてくれるという。かつて大舞台で戦った仲間たちに刺激を受けながら、ハンカチで汗を拭く暇もないほど忙しく働いている。(デイリースポーツ・西岡 誠)

 ◆齊藤さんが店長を務める「アンダーアーマー ベースボールハウス 川崎久地」では現在、バッティングセンターで「ホームランダービー2018」を開催している。同所でバッティングをした全員が対象。5月から2カ月単位で累計ホームランを競ってチャンピオンを決めるもので、豪華賞品も用意されている。

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