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宇宙戦艦ヤマト森雪の人気声優から講談師へ『話芸』追求の旅を続ける一龍斎春水

 講談師・一龍斎春水(いちりゅうさい・はるみ)はデビューから45年、講談師としては25年を迎える今もなお、『話芸』追求の旅を続けている。

 旧芸名は麻上洋子。「宇宙戦艦ヤマト」(1974年)のヒロイン森雪の声を担当した人気声優だった。「ドラマチックに朗読するという勉強の中で出会った」という講談に触れた40歳の時、「声、表現、演技を追求したい」と500年の歴史を持つ伝統芸へ身を投じた。

 「地球にのほほんとしていたら(ヤマトの悪役)デスラーにやられちゃうかもしれないし、こっちの船に乗ったらワープしていけるかもしれないでしょ」。都内で会った春水さんは、65歳になって20歳の時に演じた森雪と同じ若々しい声で、『転身』のきっかけを振り返ってくれた。

 「森雪は私の宝物」と、顔が春水さんになった森雪と宇宙戦艦ヤマトが描かれた松本零士氏直筆のイラストを眺めながら、そう感謝した春水さん。森雪以外にも「シティー・ハンター」の美人刑事・野上冴子、「銀河鉄道999」のガラスのクレアを担当するなど、清楚系から大人の女性まで演じるトップ声優として人気を集めた。

 しかし、話芸への意欲はそこに止まらず、1992年に人間国宝の一龍斎貞水に入門して修練を重ねた。2004年の真打ち昇進後は女性目線での新作に取り組み、「四肢無き偉人・中村久子伝」「童謡詩人・金子みすゞ」「野坂昭如原作・火垂るの墓」など、「主人公からのメッセージを伝える語り手でいたい」と声色を表情を雰囲気を変えてひとりで何役も演じ分け、観客を魅了してきた。

 『声』にさらなる深みを加えたいと、65歳にして心理学も学び始めた。「人生に終点はないし、光の見える方向へこれからも進んでいきたい」。ヤマトから始まった話芸追求の旅はまだまだ続く。(デイリースポーツ・中村博格)

 ◆「声優」育成も 春水さんは大学で講談や声優に関する講義を行っているほか、声優を養成する2年制の「アクセント附属養成所シャイン」(東京都中央区)の所長としても後進の指導に当たっている。7期生の中上育実は人気アニメで映画化もされた「ガールズ&パンツァー」の秋山優花里役を演じている。また、2月12日には長崎市平和会館で「一龍斎春水が語る『火垂るの墓』」という講演会を開き、命の大切さを訴える。

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