【松本浩彦医師】日焼け防止にサングラス…実は効果あるんです!

 【Q】サングラスをすると日焼けしにくいってほんとうですか?(30代男性)

 【A】実はそれ、正解なんです。目が日焼けすると、本当に肌も日焼けします。角膜が紫外線を吸収すると、脳に「メラニン色素(黒茶色の色素)を作れ!」と指令を出します。いくらお肌のUVケアをしていても、眼が無防備なままだとその効果は半減するという話、これは本当です。

 大阪市立大学・生化学教室の研究チームが「肌は紫外線を直接浴びなくても、目で受けるだけで日焼けする」という実験結果を発表しています。日焼けは、皮膚が紫外線に反応してメラニン色素を作り、日があたった部分だけが黒くなると考えられていましたから、画期的な研究成果です。

 紫外線は目に見えなくても角膜に細かな炎症を起こします。この炎症の刺激を受けて紫外線から身を守るため、全身の皮膚にメラニン色素を作らせるようになっている、と考えるとつじつまが合います。

 目を日焼けから守る一番のアイテムはサングラス。オゾン層の破壊が懸念されているオーストラリアでは、小学生のサングラス着用が義務付けられています。瞳の色は、目の中に入ってくる光の量を調節する「虹彩」という部分の色です。日本人の瞳が黒いのは、虹彩が黒いと言うこと。虹彩の色はメラニン色素の量で決まります。

 メラニン色素の量が少ない白人は虹彩の色が薄いため、日本人の2倍、光をまぶしく感じています。外国人がサングラスをかけているのは、決して格好を付けている訳ではなく、必要だからです。

 そして我々日本人も、瞳が黒いからといって安心してはいけません。日本人にサングラスなんて、ただのお洒落だけ、と思っている方が大勢いらっしゃると思いますが、実は大切なことなんですよ。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ) 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。

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