ロッテ・寺地隆成捕手 19歳の扇の要に宿るものとは
武士道が宿っている。弱冠19歳で扇の要を担うロッテ・寺地隆成捕手(19)だ。
13日の対西武(ZOZOマリンスタジアム)の5回2死三塁、センターへタイムリーヒットを放った。打球の行方に視線を向けながら、駆け出す姿が画になっている。何か高い精神性を感じさせる、姿勢の良さのようなものを感じた。
調べてみると剣道八段(最高段位)で世界選手権3回優勝の達人を父に持ち、小学生の時には剣道もやっていたという。剣道の縦ぶりがバッティングに生かされているというから驚きだ。スイング軌道が、剣道の胴の打ち方と同じだという。縦ぶりはバットが最短の軌道でボールを捕らえることができ、速い球に打ち負けない。
捕手は扇の要と称されるように、責任の重いポジション。プロ2年目の今シーズンからスタメンマスクをかぶっているが、常に堂々とプレーしている印象を受ける。ピンチを迎えるとマウンドに駆け寄り、投手と言葉を交わす。攻撃中はベンチ前でキャッチボールしている投手に声をかけ、積極的にコミュニケーションを図っている。大先輩の投手に対してなかなかできることではないだろうが、まるでベテラン捕手のような身のこなしだ。おそらくグラウンド外での礼儀がしっかりしているのだろう。試合前の練習中などは、レンズを向けるカメラマンに対してもあいさつをする。誰に対しても変わらない、人としての基本ができているからこそ、若くして重要なポジションを任されているにちがいない。これは礼儀作法を重んじる剣道、つまり武士道によって人間形成されたものではないだろうか。高い精神性に裏打ちされた堂々たるプレーぶり。監督推薦でオールスター出場が決まったのも、うなずける。(デイリースポーツ・開出牧)





