ロッテ・佐々木朗希 “火の玉ストレート”と同じ握りだった!
伝説のストレートと同じ握りだ。優勝争いのマウンドで、右腕をしならせる“令和の怪物”こと、ロッテ・佐々木朗希投手(19)である。
23日、ロッテ-日本ハム22回戦(ZOZOマリンスタジアム)の試合前、カメラマン席の前でキャッチボールをしていた背番号17。至近距離から撮影した私は、ボールを握る人さし指と中指の間隔がないことに気づいた。一般的に基本的なストレートの握りは、指1本分ほどの間隔をあける。間隔を少し開けた方がコントロールが安定するからだ。
“火の玉ストレート”と形容された元阪神タイガースの藤川球児投手のストレートと同じ握りである。間隔を開けずに握ることによってボールに伝える力を集中でき、回転数が上がる。ストレートと分かっていても打てないほど打者の手元で浮き上がる、しかし反面、安定性を欠き、制球が難しい握りでもある。
キャッチボール程度なら可能だろうが、実戦ではどうか。マウンド上の佐々木にレンズを向けると、150キロ台のストレートを投げた時の握りを見ると“間隔”がなかった。藤川球児投手と同じ握りでストレートを投げていることに、妥協なき向上心を垣間見た。
自身初の2ケタ奪三振11は成長の証し。6回2失点の好投も本拠地初勝利とはならなかったが、三振を奪えるストレートに手応えを感じたにちがいない。登板ごとに完成度を増すストレート。未完の大器、令和の怪物には夢とロマンがある。(デイリースポーツ・開出牧)