【野球】明大の新主将・福原 隠れた逸材が捕手豊作世代で存在感示せるか 理想像は阪神・坂本の観察力「裏で支えていくのは近い」

 明大の新主将を託された福原聖矢捕手(3年・東海大菅生)は隠れた逸材の一人だ。今秋まで正捕手だった西武ドラフト1位・小島大河捕手(4年・東海大相模)の存在は大きく、リーグ戦での経験は少ないものの、能力の高さは戸塚俊美監督(61)も認める。青学大・渡部海捕手(3年・智弁和歌山)を筆頭に、捕手が“豊作”の世代で存在感を示せるか注目だ。

 頭角を現したのは今春。正捕手・小島が左肋骨(ろっこつ)骨折により離脱した穴を埋めたのが、福原だった。小島のような圧倒的な打撃力はないものの、チーム内で「忍者」と呼ばれるほどのフットワークや正確な二塁送球など隙のないプレーで奮闘。ただ、今秋は出場なしに終わり「悔しさも残る1年でした」と振り返る。

 飛躍を誓う最終学年は主将として迎える。戸塚監督は「練習から非常に声も出ていますし、投手とのコミュニケーションもしっかりとれていて、いろんなところに目が行き届く選手なので」と抜てき理由を説明。捕手としての能力も高く「試合でも、ちょっと塁から出ているランナーを殺しにいったりとか視野が広い」と明かした。

 福原も自負するところだ。特に投手とのコミュニケーションはグラウンド外を含めて重きを置いている。「キャッチャー防具がかっこよくて」と小学1年から内野と兼任で捕手を始めて以降、「周りを見る癖がついた」と福原。「ちょっと今日は顔が暗いなとか感じたら、何かあったか聞くべきか、ノリでちょっかいをかけるべきか、接し方は意外と察せられるかなと。結構当たりますね」と自然と“人間観察”が得意になったという。

 リード面でも観察力は生きる。「投手の良さを引き出すために、何が得意かとか、何が投げたいかを考えて。データ通りではなく、その日の相手打者のスイングの感じとかも見てやっています」。理想像の一人は明大の先輩である阪神・坂本。「コミュニケーションをとって、裏で支えていくというのは近いモノがあるのかなと思います」と目指す姿だ。

 同学年の存在も刺激になっている。大学日本代表で正捕手を務めた青学大・渡部は来秋ドラフトの目玉の一人。同じく代表メンバーの亜大・前嶋藍捕手(横浜隼人)や、11月の明治神宮大会準Vの立命大・西野啓也捕手(高知)、同じリーグでは立大の主将・落合智哉捕手(東邦)などハイレベルな捕手陣がそろう。

 「つなぐ打撃や、リード面が持ち味。そこを伸ばして、周りとは違う形で活躍して勝っていきたい」と福原。リーグ連覇、雪辱の日本一、そしてプロ入りへ-。強力な同世代捕手としのぎを削り、絶対的な“明治の頭脳”へと成長する。(デイリースポーツ・間宮涼)

 ◆福原 聖矢(ふくはら・せいや)2004年7月30日、21歳。沖縄県八重瀬町出身。167センチ、72キロ。右投げ右打ち。東風平小1年から世名城ジャイアンツで野球を始め、6年時はU-12日本代表としてアジア選手権優勝。東風平中では安仁屋ヤングスピリッツでプレーしU-15日本代表。東海大菅生2年時に正捕手として春夏連続甲子園出場。大学では2年春に代打でリーグ戦デビュー。50メートル走6秒2、遠投105メートル、二塁送球1秒7。

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