【野球】“帝京魂”でのつながり カープOB吉田さん「あいつが一番売れましたね」同級生のユーチューバーなど多彩な仲間に支えられ

 プロ野球・広島でプレーした吉田圭さんは、東京・人形町でお好み焼き、鉄板焼きの店「さぶろく」を経営している。投手兼外野手だった帝京高時代には甲子園でベスト4入りし、ドラフト2位で広島入り。投手から野手への転向を経て7年のプロ野球生活を送った。野球漬けだった高校時代から続く帝京魂でのつながり、店に集う仲間とは。

  ◇  ◇

 落ち着いた雰囲気に包まれた店内の壁に2つのサインが並んでいる。

 向かって左側には、「魂」の文字が添えられたとんねるずの石橋貴明さんのサイン、その隣には極楽とんぼ・山本圭壱さんのサインがある。

 帝京野球部の大先輩である石橋さんはYouTubeチャンネル「貴ちゃんねるず」で今年2月下旬にサプライズ来店。吉田さんはお好み焼きを焼き、緊張の面持ちで甲子園出場当時について説明するなど、あこがれの先輩と交流した。

 「そりゃあ会いたかったですよ。びっくりしました。来てくださってありがたかったですね。向こうからしたら、ただの後輩ですから」

 来店時の驚きと興奮を思い出したように顔をほころばせた。

 番組が配信されると、すぐに反響があった。

 「たかさんのファンの人がサインの写真を撮らせてほしいと結構いらっしゃいましたね。たかさんのおかげで“帝京”はすごい名前が売れてますよね」

 現在、石橋さんはがん闘病を公表し、芸能活動を休止しているが、対面時には強烈な帝京魂を実感したようだ。

 同期の帝京仲間も頼もしい存在だ。吉田さんの代からは、吉田さんを含め3人がプロ野球選手に。エースだった高市俊投手は青学大を経てヤクルトにドラフト1位で入団した。甲子園で1番打者を務めた松本高明内野手は、吉田さんと広島に同期入団し、現在は球団広報を務めている。

 「僕らの代は強かったですよ」と吉田さんが言うのも納得だろう。

 「あいつが一番売れましたね。たまに店にも来てくれます」と話すのは野球ユーチューバーとして大人気のトクサンこと徳田正憲さんだ。ともに甲子園で戦った同級生のトクサンはプロ入りはならなかったが、帝京から創価大に進んで主将を務め、リーグ首位打者や盗塁王に輝くなど活躍。運営する野球専門チャンネルの「トクサンTV」は登録者数85万人超を誇っている。

 「1つ下には歌を歌ってるヤツ、『シクラメン』のメンバーもいるし。近代アートをやってるヤツもいます。多彩ですよね」

 野球部の後輩で3人組ポップグループ「シクラメン」で活動する肉だんごさんを挙げた。それぞれの道を歩きながら仲間とはつながっている。

 極楽・山本さんは「広島」を通じてつながった。大の鯉党である山本さんは、吉田さんの現役時代に宮崎でのキャンプに“参加”するなどチームと交流。そのころからの縁だ。

 吉田さんが引退後、広島で鉄板焼き店「まるよし」の雇われ店長としてスタートした時には、「オープニングスタッフ」として店に入りサポートしてくれたという。

 「飲み物を作って持って行ってくれたりして、お客さんも“山本さんじゃないですか”ってびっくりしてましたね。ずっとお世話になってるんです。だから、サインを(たかさんの)横に書いてもらったんです」

 吉田さんと山本さんには、同じ年頃の幼い娘をもつパパという共通点もあり、互いのまな娘話でも盛り上がっているようだ。

 結婚し、娘が誕生したことで健康に気遣うなど生活が変わったという吉田さん。仲間や家族、そしてお客さんに支えられ、これからも店を守っていく。

(デイリースポーツ・若林みどり)

 ◇吉田圭(よしだ・けい)1984年7月4日生まれ。東京都出身。帝京高3年時に夏の甲子園に「5番左翼」で出場しベスト4。2002年度のドラフト2位で広島入団。左肩の故障で2003年秋に投手から外野手に転向。06年8月26日のヤクルト戦でプロ初出場。プロ在籍は7年で通算16試合24打数3安打2打点、打率・125。07年の北京五輪プレ大会の日本代表として優勝に貢献。20年から東京・人形町で広島鉄板焼き・お好み焼きの店「さぶろく」を営む。

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