【ファイト】頸髄完全損傷から8年、不屈の帝王・高山善廣の今 今春YouTube開始&自力でブログ入力も ウルフ・アロン新日本入団にも関心
2017年5月4日の試合中に頸髄(けいずい)完全損傷の重傷を負ったプロレスラーの高山善廣(58)が、現在も懸命にリハビリに励んでいる。昨年9月に行われた支援イベント「TAKAYAMANIA EMPIRE」で、7年4カ月ぶりにリングに上がったことは大きな反響を呼んだが、今年9月3日にも後楽園ホールで開催を予定しており、高山は早くも来場を予告した。今春からはYouTubeチャンネルを開設し肉声を届けるなど、不屈の帝王は一歩ずつ復活への歩みを進めている。
今年も開催される「TAKAYAMANIA EMPIRE4」(後楽園ホール)に向けて、高山からは「今年も会場に行きます!」と早くも来場予告がアナウンスされた。頸髄完全損傷という重傷を負った高山への支援を目的に18年に始まった同イベントは昨年9月、第3回が開催。興行当日、メイン終了後に車いすに乗った高山がサプライズ登場し、負傷以来初めてリングに上がった。
さらに、盟友・鈴木みのる(57)の呼びかけで鈴木と高山が両コーナーに対峙(たいじ)し、ゴングも鳴らされて7年4カ月ぶりの“復帰戦”も実現。鈴木が涙を浮かべながら「来いよ!このヤロー」と呼びかけ、高山も必死に戦おうとしたものの立ち上がれず、ノーコンテスト決着となったが、会場はもちろん、ネットで動画を見たプロレスファンの心を打ち、大きな反響を生んだ。
昨年は大会当日のサプライズ登場だったものの、今年は2カ月前から来場を予告し、復活への意欲的な姿勢がにじむ。現在も首から下がマヒ状態で懸命にリハビリを続けているものの、4月にはYouTubeの公式チャンネルを開設。ベッドの上から肉声で「生きてます」と近況を報告し、初回投稿は27万回を超えるアクセスを記録するなどファンを歓喜させた。
また、今まで家族やスタッフが高山の声を代筆していたブログも、今春からは高山自身が頭に装着するポインターを使って文章を打ち込んでいるという。投稿を手伝うマネジャーは「想像以上に長文が送られてくる。相当時間をかけて書いているみたいです」と言う。
現在のプロレス界への関心も強まっているという。リハビリ施設の部屋にはテレビが設置されているものの、最近はプロレスの試合を見ることが増えたといい、マネジャーは「WWEをずっと見ていたり、プロレスを見ることが増えた。最近はウルフ・アロン選手の(プロレス転向の)話をしていた。プロレスの情報もすごく気に掛けている」と明かした。
今年の大会のメインはタッグ戦で鈴木、柴田勝頼(45)、丸藤正道(45)、KENTA(44)の出場が発表されたが、組み合わせは高山が当日に決めて発表する。少しずつだが着実に、帝王は復活に近づいている。(デイリースポーツ・藤川資野)
◆高山善廣(たかやま・よしひろ)1966年9月19日、東京都墨田区出身。ライフセーバー、サラリーマンを経て、92年にUWFインターナショナルでプロレスデビュー。全日本、ノア、フリーとして新日本でもそれぞれ王座に就くなど活躍した。また、PRIDEで総合格闘技の試合にも出場。得意技はエベレスト・ジャーマン・スープレックス・ホールド。196センチ。





