【野球】阪神・坂本 打てる捕手への変貌の理由 「投手との間合い」「面で打つ」本人が明かした要因とは

 阪神の坂本誠志郎捕手(31)が打てる捕手へと変貌を遂げている。女房役としての配球やキャッチングは文句なし。今年はバットでも26試合連続出塁や4年ぶりの本塁打を記録し、すでに9本の二塁打と24四球はキャリアハイとなっている。本人の証言を元に、打撃好調の理由に迫った。

 坂本が打席に立つと、何かが起こる。虎党もおそらくそう感じているだろうし、記者席からもその雰囲気が見て取れる。なぜ打てているのか。「打てる球を打つ、ボールは振らない」。当たり前のようで難しいことを言われたが、もっと深い理由があった。

 一つは準備力。「投手との間合いはめちゃくちゃ意識している。去年までも間合いは考えていたけど、打席に入る前の準備段階で考えることを整理している。その中で打席に入っているのがデカいかもしれん」。捕手だからできる技でもある。個人的に準備力の象徴としてピックアップしたいのが、4月17日・ヤクルト戦(神宮)の延長十一回での打席だ。

 相手は初対戦で新外国人のバウマンだった。初球の直球が高めに浮き、2球目はバントの構えで揺さぶってボール。3球目にど真ん中でストライクを取られたが、その後の2球は振ることなく四球を選んだ。「あぁ、あれは振るつもりはなかったね」。それも、ただボールが荒れていたからではない。明確な意図があった。

 「オープン戦でクイックに苦労しているみたいな記事を見たから」。それも阪神とは関係のない試合でのこと。2球目の動きが動揺につながった可能性があったのだと後日談でふに落ちた。「出塁したら何かが起きると思って」。四球の後には次打者の近本に何か言葉を送っていた。その近本が直球一辺倒のバウマンから決勝2ラン。坂本の準備力が得点へと導いたのだ。

 そして、もう一つが「面で打つこと」。ボールとバットに当たる面を長くしたいというのは、長年の思いだった。長打が増えているのも「ご飯を食べているからじゃない」と笑ったが、この考えがつながっている。

 「面が長いってことはバットの加速してる時間がある。後ろで加速している時間を作れているから、今までより加速したバットが当たって、飛距離が出ている可能性はあるかな」

 そう分析はしたが、決して長打を狙っているわけではない。「コンタクトしたいと思って、そうやって考えている結果、ちょっとそうなっているだけ」。では四球が増えている要因は。「面を長くして振れるっていうのがあるから、ボールを長く見られる。打てないボールに止まることができているのは、つながってるんじゃないかな」。数字に表れていることの裏付けがあった。

 交流戦の最終戦で連続出塁は止まったが、出塁率・366の好成績を残している。下位打線から上位につなげる意味でも役割は大きい。リーグ戦再開後も、坂本が攻守でチームに欠かせない存在となる。(デイリースポーツ阪神担当・今西大翔)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス