【野球】“波乗りポーズ”でベンチの雰囲気を一変させたロッテのルーキー・立松 太く短くの覚悟で挑むプロ生活

 打席に立つ立松=7日、ZOZOマリンスタジアム
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 ロッテは7日の楽天戦(ゾゾ)で連敗を6で止めた。その立役者の1人が、同日に1軍初昇格したドラフト6位・立松由宇内野手(26)=日本生命=だった。試合前の円陣で声出し役に指名され、フラダンスのように腕で波を作る“波乗りポーズ”を提案。主力でもベテランでもない新人の声がベンチの雰囲気を一変させた。私生活では昨年の母の日に車を贈った孝行息子。覚悟のプロ生活を送る。

 どんよりとした連敗中の暗いムードは、そこにはなかった。好機を迎えて、そして得点のたびに塁上とベンチが“波乗りポーズ”で呼応する。連敗中の得点力不足がウソのように7点を奪って快勝した。ベンチの雰囲気を変える提案をした立松は、吉井監督にとっても“孝行息子”となった。

 26歳のオールドルーキー。登録は内野手だが、捕手に3年ぶりに挑戦している。キャンプ、オープン戦と守備の負担が打撃に影響する面もあったが、「バッティングと捕手で割り切るというか、キャッチャーを引きずってバッティングに入るっていうことはなくなったと思います」と言う。2軍で打率・315、1本塁打、14打点と成績を上げて初昇格を果たした。

 「貯金が趣味で、日本生命時代もそこそこいい給料あったんですけど、無駄に使わずちゃんとためて…」。1月の入寮時に、そう話していた。そして昨年の母の日。プレゼントしたのはなんと車だった。「レクサスのis、の新車ではなくて中古なんですけど、弟2人と割って」と明かした。

 「家族のおかげでこういう立場になっていると思うので、母親の車もそうですし、父親にウイスキーを贈ったりする。そういうふうに自分の人生を支えてくれた人に還元できるようにお金を使っていこうかなと」

 昨秋、ドラフト指名された時はすでに25歳。日本生命に残っても安定した生活が送れる。迷った末のプロ入りは双子の弟・峻さんの後押しもあった。

 「30までやれたら野球人生としては十分だなって思っていたんですけど、『あと4年間を社会人で終わらすのか、もう1回挑戦して野球人生、後悔ないようにやるのか』って聞かれた時に、日本の野球界のトップのレベルを肌で感じて、後悔ないように終われればいいかなと思った」

 家族の支えを感じながら、プロの世界で太く短く挑戦していく決意。11日は母の日。孝行息子は「いっぱいいっぱいでした。完璧、忘れてました。今年は花を渡そうかな…」と白い歯を見せる。もちろん、これからのプロでの活躍が最高のプレゼントになるはずだ。(デイリースポーツ・鈴木創太)

 ◆立松 由宇(たてまつ・ゆう)1999年2月5日生まれ、26歳。千葉県出身。177センチ、85キロ。右投げ左打ち。内野手。藤代高、立正大、日本生命を経て24年度ドラフト6位でロッテに入団。豪快なスイングが魅力の一塁手だが、22年には捕手としてドラフト候補に挙がったこともある。5月7日の楽天戦(ゾゾ)で代打として1軍初出場を果たした。

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