【野球】広島ドラ2・高 広陵高時代の同級生エース・河野との“赤い糸” 「ライバルどころの差では」少ないチャンスものにする力

 入団会見でボールを手に笑顔を見せる高=2023年12月
 一足先にプロのマウンドを経験した河野=2023年6月
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 取材現場の裏側を描く新企画「スポットライトの裏側」。今回は昨秋ドラフト会議で広島から2位指名を受けた高太一投手(22)=大商大。同僚となる河野佳投手(22)とは広陵高の同級生で2度目の共闘となる。高校時代はエースだった河野に対して控え投手だった高。その関係性だったからこそ磨かれた力があると明かし、プロ入り後の夢も語った。

 高はカープへの入団が決まり、真っ先に思い浮かべた人物がいた。「本当に縁を感じましたね」。広陵時代のチームメートで、22年度ドラフト5位で一足先に広島に入団していた河野だった。

 愛媛県出身の高と兵庫県出身の河野が出会ったのは7年前。17年の春、2人は広島の名門・広陵の門をたたいた。3年春のセンバツ大会では河野が背番号1、高は背番号10を背負った。激しいエース争いが繰り広げられていたのではと問うと、高は否定した。「ライバルどころの差ではなかったです」と当時を振り返る。

 河野はセンバツ初戦1回戦・八戸学院光星戦で3安打完封。2回戦の東邦戦では打ち込まれて姿を消したが、150キロを計測するなど大会注目投手だった。この年の広陵は他にも昨秋ドラフトでヤクルトから3位指名された石原勇輝投手(明大)、一つ下には今秋ドラフト1位候補の宗山塁内野手(明大)と渡部聖弥外野手(大商大)らを擁するタレント軍団だった。その中でも河野は「頭一つ抜けていた」。東邦戦に4番手で登板し、1回1/3を無失点だった高にとって、手の届かない存在だった。

 絶対的なエースがいる中、与えられたチャンスは少なかった。そこで磨かれた力があると言う。

 「少ないチャンスをものにする力です。プロでも一番生きてくる力だと思うので、今までの経験を生かしていきたいと思います」。エースと控え投手という関係性で培われたここ一番での集中力、勝負強さが今の高を支えている。

 卒業後、高は大商大、河野は大阪ガスと別々の道に進んだ。そして4年後に再会。「まさかプロの舞台でも一緒にやれるとは思ってなかった」と驚きながらも、「心強いです」と正直な気持ちを明かした。

 「(入団決定時に)まずは『おめでとう』と言ってもらいました。寮のこととかもいろいろ教えてもらってます」と高。「広陵でできなかった日本一をカープで達成したい。2人でリレーなんてできたら最高です」と目を輝かせる。運命の“赤い糸”に引き合わされ、再び同じユニホームに袖を通すこととなった2人は切磋琢磨(せっさたくま)を続ける。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)

 ◆高 太一(たか・たいち)2001年7月26日生まれ、22歳。愛媛県出身。180センチ、80キロ。左投げ左打ち。投手。広陵、大商大を経て23年度ドラフト2位で広島入団。最速151キロのストレートが魅力。今年1月の入寮の際は、『負けられません 勝つまでは』の文字を刺しゅうしたカープカラーの真っ赤なグラブを持参。

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