【野球】坂本勇人から遊撃を奪った巨人・門脇誠は何がスゴい? 守備の名手が解説「ボールへの入り方が積極的」

 右打者史上最年少で通算2000安打に到達した巨人・坂本勇人内野手(35)を三塁に追いやり、遊撃のレギュラーポジションを奪い取った門脇誠内野手(22)。大卒1年目にして、過去4度ゴールデングラブ賞を獲得した坂本の守備位置変更を首脳陣に決断させた要素とは何だったのだろうか。

 創価大からドラフト4位で加入した門脇は昨年、126試合に出場して打率・263、3本塁打、21打点をマークした。前半戦は打率1割台とプロの壁に苦しんだが、後半戦は対応力を見せ、「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」では侍ジャパンを頂点に導くサヨナラの左前適時打を放った。

 二塁、三塁を主戦場とした守備位置は、シーズン最終盤になって遊撃に落ち着いたが、二塁の守備率は・978(1失策)、三塁・981(2失策)、遊撃・991(2失策)と軒並み高い数字を刻んだ。

 一方の坂本は、昨季開幕から22打席連続無安打とスタートダッシュに失敗したが、最終的には116試合出場で打率・288、22本塁打、60打点の数字を残し、守備でも前年の11失策から4失策とミスを減らしている。

 現役時代に守備の名手として鳴らした元阪神コーチの岡義朗氏は門脇の良さについて「まずは守備範囲の広さと肩の強さだね」とし、続けて「打球に対しての一歩目とか素早い動き。ボールへの入り方が積極的というのも魅力だよね」と指摘する。

 打球への積極的な入り方とは。「アウトを取れると思ったら、待って大事に捕ろうという選手もいるんだけど、門脇の場合は前へ、前へと詰めてくる。前へ詰める姿勢っていうのは若さが絡む部分もあるんだけど、でも、この50センチ弱の差が、アウトとセーフを分ける。門脇のストロングポイントのひとつだよね」と解説した。

 では、今年12月に36歳を迎える坂本の守備力は落ちたのだろうか。岡氏は「そりゃかつての鳥谷がそうであったように、年齢による衰えはある。ただ、今の坂本がショートを1年間守れないかと言ったら、守れると思う。門脇がいなければ。阿部監督からすれば、ショートには門脇がいるから、坂本にはさらに打撃を生かしてほしいというコンバートなのでは。門脇の守備は器用さも兼ね備えてるだけに、それだけ評価されてるってことだと思う」と推測した。

 岡氏は打撃における門脇の成長も評価した。「最初はプルヒッター(引っ張り打者)かなという感じで見てて、最初の頃は苦しんでいたけど、逆方向への意識が打席で出るようになってからよくなってきたよね。左打者だからといって内野安打を稼ごうという“当て逃げ”のスイングではなく、しっかり逆方向に振り切ってる。伸びしろは大きいと思う」と2年目の飛躍を疑わない。

 一塁・岡本和、三塁・坂本、遊撃・門脇とレギュラーを固定して戦う新生・阿部巨人。岡氏は「二塁も吉川が中心となってくるのかなと思うけど、去年の阪神のようにメンバーを固定して戦えるのはチームの強みのひとつになる。その中でセンターラインを担う門脇の存在は大きい」と指摘。2年連続Bクラスからの巻き返しを期すチームの軸になると予想した。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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