【野球】なぜ広陵OBの結束は強いのか 野球教室に現役プロ14人全員が参加

 広陵の野球教室に参加した同校OBのプロ野球選手と同校・中井哲之監督(中央)=12月29日
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 「4年ぶりの開催」という文言を今オフはよく耳にする。コロナ禍から元の日常が戻ってきて久しい昨今、ここにも久々の再会を喜ぶ面々がいた。29日、広陵で小学生向けの野球教室が行われ、OBの現役プロ野球選手14人全員が参加した。驚異の出席率100%となった中、そこまでの結束の源にあるものとは。

 「プロ野球選手とか偉いとか関係なく、広陵高校出身でここに帰って来たら、人として正されるというか。そういう気持ちにここにくるとなるよね」。澄んだ広陵グラウンドの空気を吸い込んだ巨人・小林はそう語った。年末になると決まって訪れる自身の原点。表情は生き生きとしていた。

 懐かしさを感じる中で、少しばかりのピンッと張り詰めた空気も感じる。視線に先にいるのは同校・中井哲之監督だ。プロの世界に飛び込んでからも、愛のある厳しい言葉をかけられ、この日も「負けるな!」と激励された。小林は「人の痛みが分かる人間になれって野球を通して、広陵を通して、(中井)先生には教えてもらった。そういう人だから年に1回か2回くらいは顔はみたいと思って」としみじみ。OBが広陵に帰ってくる理由は、やはり中井監督への「恩」であり、「感謝」の思いからだ。

 さらに、今回の野球教室で印象的だったのは、プロの現役を引退したOBも参加していたことで、現阪神2軍野手コーチの上本博紀氏もその一人。同氏はこれほどまでにOBが集まる理由に「中井先生の愛情」を挙げ、「こうやって年に一回集まる機会をつくってくれているから、広陵って場所が特別でありながら、身近で、気になる存在。(中井)先生に会いたくて、みんな集まっているんだと思う」とOB全体の思いを推し量った。

 当の中井監督も「現役の選手が、引退した選手も、野球教室をするって言って、全員がそろう。『行かれんよ』って言わんのじゃけ。『12月29日は空けとかないといけん』と思うわけじゃけえ。すごい感謝しとるで。(そんな高校は)日本で1つじゃけ」と誇らしげ。その言葉を聞く、プロ野球選手たちも、またうれしそうな表情を浮かべているのが印象的だった。

 「人間は年取ってきたら、背筋が伸びる場所、人がおらんくなる」と中井監督は語る。その上で「だから広陵のグラウンドが背筋の伸びる場所であってほしい」と願う。年が明けると、それぞれが新たなシーズンに向け、戦う準備を始める。1年後、2024年の年の瀬にまた胸を張って、広陵へ帰ってくるために。(デイリースポーツ・畠山賢大)

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