【野球】阪神・岡田監督「優勝旅行は裏方がうれしいやろなあ」支えてくれる人たちのために 連覇への思いにじむV旅行
岡田彰布監督の思いがにじむ一言がハワイ到着後にあった。歓迎セレモニー終了後、「これは裏方が一番うれしいやろなあ。コロナでなあ、みんなほとんど海外旅行に行けてなかったからなあ、そういう意味ではほんと久しぶりの旅行じゃないか。だから余計楽しみにしてたんかなあ」。まだ時差ぼけが残る中、チームを裏から支えるスタッフ、そして選手も含めた家族のうれしそうな表情に目を細めた。
今回のV旅行には選手、首脳陣の家族、スタッフ、そしてその家族と総勢345人が参加した。参加したあるスタッフの夫人と子供2人の旅行費などはすべて無料。また若い選手にとっては両親と一緒に、親孝行の場として優勝旅行を楽しんでいる。
またトレーニング施設やキャッチボールなど練習できる場所もあり、来季へ向けて選手個人の不安も取り除いた形に。初日のパーティーでは「今回は家族が主役なんで、思う存分、子どもさんはね、お父さん、パパに甘えて、楽しい1週間にしてください。奥さんもねぎらって」と語り、「選手もご苦労さまでしたし、家族は本当にありがとうございました。縁の下の力持ちというかね。なかなかね、支えるの難しいと思うんだけど。若い選手多い中で、そこまで支えるの大変と思うんだけど。最終的な日本一という栄冠を勝ち取れたのでね。本当にありがとうございました」と指揮官自ら選手の家族、スタッフら裏方さんに感謝の思いを告げた。
今オフ、岡田監督は選手の球団行事参加を積極的に推し進めた。その理由を「みんなが集まるのがええよ。やっぱりな、チームとしてもな」と明かし、ゴルフコンペにしてもスタッフと一緒にラウンドすることでお互いの理解を深め、選手が裏方さんの大切さを知ることにもつながるという狙いがあったように考えられる。
阪神、広島、オリックスでコーチを歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏も岡田監督の考えを支持し「今の若い選手というのは良くも悪くも個人という考え方が強い。趣味にしても昔は麻雀だったり、ゴルフだったり、お酒を飲みにいったりというのが常だったけど、今は自室でゲームというのもある。趣味が多用になってきた。その中で一緒に集まって、何かやることの大切さを知ってほしいんじゃないかな」と語っていた。
オフの行事に選手たちが参加することで、より支えてくれる人たちとの絆は深まる。そして優勝することで、支えてくれる裏方さん、家族にいい思い、楽しい思いをさせてあげられる。その事実を身を持って知ることで来季、連覇へのモチベーションにつながる。
孫と一緒にハワイへ赴いた指揮官も「一緒に行くのは初めてや、そら。俺が会いに行く方やったからな」と語り、おねだりには応じるか?の問いに「そんなん言えへんわ(笑)」と笑った。ハワイで英気を養い、支える人たちの喜ぶ顔を新たなシーズンのエネルギーに。大所帯での優勝旅行にはそんな思いがにじんでいる。(デイリースポーツ阪神取材班)




