【野球】清原和博氏が「嫌ですね」とうなった阪神・岡田監督の采配とは?4点リードでバント指示「中日に反発力ないやんか」

 選手交代を告げる岡田監督=バンテリンドームナゴヤ
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 「中日ドラゴンズ2-8阪神タイガース」(5日、バンテリンドーム)

 ラジオ中継で解説を務めていた清原和博氏が「嫌ですね」とうなった場面があった。4点リードの四回、阪神・岡田彰布監督は無死一塁から中野に送りバントを命じた。

 中野もきっちりと決めて得点圏へ走者を進めた直後、「ポンポンときてくれてゲッツーになってくれたら流れも変わるんですけど」と理由を説明した清原氏。阪神は三回裏に細川の犠飛で1点を失った直後の攻撃だった。仮に無死一塁で走者を進められず、後続が併殺打でチェンジとなれば、試合の流れは一気に中日側へ傾いてしまう。

 岡田監督は試合後、この場面について「もうだって、勝ち越したら。もうなあ、1点ずつでええわけやからさあ」と明かした。その上で「そら、目標のあるチームとないチームっていうのはとにかくリードしとけば、そんな反発力ないやんか、やっぱりな。大量点いらんもん。1点ずつでええもん、追加点なあ」と中日のチーム状況を踏まえた上での采配だったと説明する。

 中日はこの試合まで2カード連続で勝ち越してきたとは言え、借金「25」を抱えての最下位に沈んでいる。優勝の可能性は途絶え、CS進出の可能性はわずかに残るものの、はっきりと視界に捉えられるチームの目標はない。

 だからこそ首位を走るチームとして、丁寧に「次の1点」を奪えば、中日側の反撃意欲を消すことができる。仮に無得点に終わったとしても、「野球が違う」という印象を相手に植え付け、強攻策に失敗することで生まれるダメージも排除した。序盤で涌井をKOし、イケイケになっても良い状況で、わずかなリスクすら排除した岡田監督のタクト。清原氏、そしてW解説の井端氏もそろって「嫌ですね」とうなった理由がここにある。

 最終的に2死一、二塁から佐藤輝、ノイジーに連続適時打が飛び出し、3点を追加して試合を決めた。優勝へのマジックを「14」とし、鬼門だったバンテリンドームでの勝ち越しも決めた。

 岡田監督は初回無死一塁の場面では中野にヒットエンドランを指示。見事に右中間を真っ二つに破る適時三塁打で先制点を奪っていた。同じ試合、似た状況でも柔軟に戦術を変える、そして勝つために最善の一手を選択する-。野球というスポーツの奥深さが垣間見えた場面だった。(デイリースポーツ・重松健三)

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